吐き気の原因は病気かもしれない?! 隠れている疾患について

2017/12/14 記事改定日: 2019/6/25
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

吐き気は一時的な不調として現れることが多く、大半は安静にしていれば治るものです。しかし、中には深刻な病気が隠れていることもあり、放置すると死に至ることになりかねません。この記事では、吐き気の原因になる病気について解説しています。

吐き気ってどんな症状なの?

吐き気とはみぞおちから腹部にかけてムカムカし、胃の中にあるものを吐き出してしまいたくなる症状です。日常生活の中でよく起こりうる体調不良で、食べ過ぎたときやお酒の飲み過ぎ、二日酔い、バスや車に乗った時の乗り物酔い、食中毒などによって起こります。

これらの症状は、通常は時間が経てば自然に改善していきますが、ずっと続いてしまう場合やその原因に心当たりが無いとき、症状が重いときや腹痛や頭痛など他の症状も伴っているときは、何かしらの病気が関係している可能性があります。中には命を落とす重篤な病気が隠れている危険もあるため、自己判断せずに病院を受診するようにしましょう。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍、腹膜炎、虫垂炎などの消化器疾患

吐き気が症状として現れるのは、急性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腹膜炎など胃腸の病気が隠れている可能性があります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、粘膜に炎症が起こり潰瘍ができる病気です。吐き気以外の症状として、みぞおちに違和感や痛みが現れることもありますが、無症状のことも少なくありません。ピロリ菌の感染やストレス、生活習慣などが発症に関係していると考えられています。

腹膜炎は、腹膜に炎症が発生することで強い腹痛が起こります。最初は局所的な痛みから始まりますが、痛みはどんどん広がり、腹痛以外にも吐き気や嘔吐、発熱などの身体症状が現れます。

肝炎、胆石症、膵炎などの内臓疾患

肝炎、胆石症、膵炎などの内臓疾患でも吐き気は起こります。

肝炎

肝炎は肝臓に炎症が起こった状態で、赤く腫れて触ると痛みを感じる症状です。日本人で肝炎を発症する人の多くが肝炎ウイルスが原因といわれており、吐き気以外にも食欲不振や倦怠感、嘔吐、黄疸などの症状が現れます

胆石症

胆石症は吐き気や嘔吐とともに、キリキリと痛むような激しい痛みが右脇腹やみぞおち付近に突然起こります。激痛のため救急搬送されるケースも少なくありません。

膵炎

膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があるのですが、特に急性膵炎は症状が強く出ます。アルコールの過剰摂取や脂っこい食事、暴飲暴食などによって引き起こされ、激しい腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が出てきます。吐いても腹痛は治らず、炎症が進むと症状は膵臓だけでなく全身に広がっていきます。

メニエール病、突発性難聴、くも膜下出血・脳出血・脳腫瘍などの脳や三半規管の病気

脳や三半規管の病気でも吐き気をもよおすこともあります。

くも膜下出血

くも膜下出血は、今まで経験した事がないような頭痛が起こることが特徴です。多くの人が頭痛によって意識を失いますが、中には我慢出来る程度の頭痛が数日続く場合もあり、そのときに吐き気や嘔吐などが同時に起こる場合があります。

脳出血

脳出血は頭痛やめまい、しびれ、吐き気、嘔吐など様々な症状が現れます。症状の出方は出血個所によって変わってきますが、吐き気や嘔吐は脳出血の代表的な症状として挙げられるでしょう。

脳腫瘍

脳腫瘍も吐き気や頭痛などが起こりやすく、腫瘍が出来る場所によって症状の出方が異なります。また、気持ち悪さを感じないのに突然嘔吐する噴出性嘔吐などが起こることもあります。

メニエール病

メニエール病や突発性難聴などの三半規管の病気でも吐き気が起こることがあります。

おわりに:思い当たる原因がない吐き気は病気かも。念のため病院で検査してもらおう

吐き気の大半は、体調不良やウイルス感染による胃腸炎など、一時的な症状として現れます。しかし中には、重篤な病気のサインとして現れることもあるのです。原因が思い当たらない吐き気は、自覚していない病気が隠れている可能性があります。念のため病院で検査してもらい、必要に応じてきちんと治療を受けるようにしてください。

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