息が臭い!口臭はなぜ起こる?治すにはどうすればいい?

2018/2/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

吐く息が臭くなってしまう口臭。身近な人に口臭を指摘されてしまったなどで、お悩みの人も少なくありません。そもそもこの口臭は何が原因で引き起こされるのでしょうか?治すにはどうすればいいのでしょうか?

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息が臭くなる主な原因は「細菌」!

息が臭くなってしまう主な原因は、細菌です。毎日歯を磨いているつもりでも、口の中には様々な細菌がいます。細菌は食べかすを分解するときに、硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドという口臭成分を作り出します。

これらの口臭成分は、普段は唾液の中に溶け込んでいるのでそれほど臭いを発しませんが、緊張や口呼吸をすることで、口の中が乾燥すると気化して息となって口の中から出ていきます。口の中から出ていくと、口臭として他の人にも気づかれるようになります。自分の臭いにはなかなか気づきにくいものですが、気になる場合は、ビニール袋に息を吹き込み、その臭いをかぐことで自分でも臭いを客観的に感じることができるようになります。

口臭の原因・細菌はなぜ発生する?

細菌が発生する主な原因としては、「歯垢」「歯周病」「舌苔」「膿栓」が挙げられます。

まず、歯垢とは歯の磨き残しによる細菌の塊です。ただ、歯垢からの臭いは比較的軽度のものです。

次に、歯周病は、歯茎と歯との隙間の歯周ポケットに歯垢や食べかすがたまっていくことで起こります。初期の頃は痛みもないため徐々に進行し、歯周ポケットには膿が溜まると悪臭を放つようになります。

舌苔とは、舌の表面に白く付着する細菌や汚れの塊です。口臭の原因の大半はこの舌苔によるものといわれています。

そして、のどの奥のくぼみに粘膜や食べかすが剥がれ落ち、そこに細菌が集まってできた膿栓も口臭の原因として知られます。膿栓は、思春期の頃にできやすいですが、扁桃の炎症を繰り返している人にも発生することがあります。非常に強い臭いを発します。

唾液の分泌が少ないことも原因のひとつ

唾液の分泌が少ないことも、口臭の原因のひとつです。唾液の量は普段自律神経によって調整されていますが、ストレスや緊張などで自律神経が乱れてしまうと、唾液が少なくなってしまいます。そのため、不安や興奮を感じた時も唾液は少なくなり、息が臭くなってしまうことがあります。そうして唾液が出ないことで口の中が乾燥すると、口臭の原因となる細菌が増えやすくなり、さらに成分が気化して話すときに口臭として感じるようになります。

息が臭いのを治すには?

口臭を治すためには、口の中の細菌の数を減らすのが効果的です。歯磨きやうがいをこまめにすることがもちろんですが、殺菌成分の入ったうがい薬を使うことでより菌の数を減らすことができます。うがい薬を使うタイミングは、歯磨きの後がいいでしょう。

また、舌苔を取り除くために舌を磨いたり、歯周病になっている場合は定期的に歯科を受診して、歯垢や歯石を除去する治療を受けることが大切です。また、ストレスが強く唾液量が減っている場合は、ストレスの発散方法を見つけるようにしましょう。

おわりに:口臭を引き起こす原因はさまざま。原因に合ったケアを

歯周病や舌苔、膿栓など、口臭を引き起こす原因にはさまざまなものがあります。息が臭いのを改善するには、原因に合った治し方を実践することが大切なので、原因に合わせてご紹介したケアを実践してください。

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