「淋病かも・・・」と思ったら、ためらわずに病院に行こう!

2017/12/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

性感染症のひとつとして知られる「淋病」では、排尿痛や不正出血などの疑わしい症状が出たら、すぐに病院に行くことが大切といわれています。今回は、すぐに病院に行くべき理由を中心にお伝えしていきます。

淋病について

「淋病」とは、淋菌という病原菌によって起こる性感染症の一つです。主に性行為による粘膜同士の接触や、精液・膣分泌液を介して感染する性感染症です。性行為はもちろんですが、ディープキスやオーラルセックスによって喉から感染することもあります。

淋病の症状は男女によって異なります。男性の場合は、尿道に感染します。そのために、尿道のかゆみや不快感、激しい痛みの排尿痛、尿道からの膿などの分泌液物、発熱や精巣上体が腫れるなどの症状が出ます。

女性の場合は、子宮経管に感染します。感染した初期は自覚症状はあまりありませんが、進行するとおりものの増加や不正出血、下腹部の痛みや性交時の痛みを感じるようになります。

淋病が自然に治る可能性はある?

淋病に感染すると自然治癒することはほとんどありません。放置しておいても自己免疫力によって自然治癒する病気もありますが、淋病に関しては体内に侵入した淋菌は自動的に消滅することはありません。

淋病は放置すると、菌が体内の奥の方まで浸食していきどんどんと症状が悪化していきます。自然に自覚症状が治まったとしても、これは自然治癒ではありません。一時的に症状が治まったように思えますが、実は病原菌である淋菌は体内で潜伏しており、進行している状態なのです。

症状が治まると「治癒した」と勘違いして、性交行為に及ぶことでまた感染を広げてしまうことになります。淋病が自然に治る可能性が低いことをしっかりと頭に入れておくことが重要となります。

淋病を放置することのリスクとは?

淋病を放置しておくと、重篤な症状を引き起こす原因となります。放置することで、男性の場合は精巣上体炎、前立腺炎や血精液症、女性の場合は卵管炎や腹膜炎を引き起こす可能性があります。これらの症状が悪化することにより不妊症になってしまうリスクがあります。また、早産や流産、子宮外妊娠が起こる可能性も高くなります。

また、淋病は主に性器周辺に感染しますが、放置すると淋菌が血液の流れに乗って全身に広がります。これは播種性(はしゅせい)淋菌感染症とよばれるもので、関節痛や関節炎、発熱などが起こり全身に症状が及びます。その他、妊娠時に体内に菌が残っている場合、赤ちゃんに感染してしまう母子感染が考えられます。赤ちゃんに感染すると新生児結膜炎を起こす可能性があり、最悪の場合、失明の恐れがあります。

パートナーのためにも、病院でしっかり治療することが大切

淋病は、適切な治療を行うことで治癒します。淋病が体内に長期間淋菌が滞在している場合、治療に使用する抗菌薬に対して耐性をつけている可能性があります。したがって、治療のタイミングが遅くなってしまうと、適切な治療が遅れてしまう原因になります。少しでも症状に気づいたり、違和感を感じたら専門の医療機関に受診することが重要となります。

そして、性行為によって感染する淋病は、自分だけではなくパートナーも感染している可能性があるので、一緒に医療機関で検査を受けること、治療に臨むことが再発、治癒には欠かせません。

おわりに:女性の場合は不妊につながることも。早期に検査を

男性の場合は前立腺炎や精巣上体炎に、女性の場合は卵管炎から不妊症につながる恐れのある淋病。治療が早期であればあるほど、治癒までにかかる期間も短くて済むので、異変に気づいたら病院で検査を受けましょう。

宅配ドクター

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