ギラン・バレー症候群のリハビリの目的は?期間はどれくらい続くの?

2017/12/14 記事改定日: 2019/4/1
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

手足の筋力が短期間のうちに衰えてしまう「ギラン・バレー症候群」ですが、治療においては、この筋力低下を防ぐためのリハビリが行われます。では、いったいどのようなリハビリが行われるのでしょうか。

ギラン・バレー症候群とは?

ギラン・バレー症候群は急性および多発性の神経炎で、主として運動神経障害を引き起こして手足の筋力低下をもたらす疾患です。

前駆症状としては、咽頭痛や発熱などの風邪のような症状をはじめ、急性の結膜炎や消化管症状が見られることがあります。これら前駆症状の後に引き起こされやすい神経症状として多く見られるものが、運動神経障害に伴う筋肉の脱力や麻痺で、多くは足から手の方へ移行していきます。

ギラン・バレー症候群に対する治療としては、一般的に免疫グロブリン大量療法や血漿交換療法、リハビリテーションが行われています。

ギラン・バレー症候群のリハビリの目的は?

ギラン・バレー症候群は治療によって回復や治癒が期待でき、予後も比較的良好な疾患とされています。その予後ですが、治療などを通して回復、治癒する場合が多く、中には自然に回復していく場合もあります。

そして、ギラン・バレー症候群の治療ではリハビリテーションが重要です。
その理由としては、ギラン・バレー症候群は主として運動神経障害から急速な手足の筋力低下を引き起こすため、短期間で容易に筋力低下が進行しやすく、そのことによって歩行困難など日常生活に著しい支障をもたらす可能性があるためです。

また、筋力低下は日常生活へ支障をきたすだけでなく、身体を動かすことが困難になることによって深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。したがって、できるだけ早期の段階から筋力低下の進行を予防、もしくは維持していくことで日常の生活動作に支障をきたさないようにすることが、リハビリの大きな目的となります。

どのようなリハビリが行われるの?

ギラン・バレー症候群に対するリハビリテーションは、主にPT(理学療法)とOT(作業療法)に分けることができます。

PT(理学療法)

PTでは生活動作に必要な手足の筋力の改善や維持を目的としてリハビリテーションを行っていきます。具体的には、手足の筋力トレーニングや歩行トレーニング、階段昇降のトレーニングなどです。なお、これらは痛みや疲労を生じさせないように注意して行っていく必要があります。

OT(作業療法)

OTでは生活に必要な細かい動作の改善や維持を目的としてリハビリテーションを行っていきます。具体的には手足の細かい動きをサポートしながら食事や更衣のトレーニング、手作業などがあります。なお、これらは必要に応じて装具を使いながら行うこともあります。

ギラン・バレー症候群のリハビリ期間は?いつまで続ければいいの?

ギラン・バレー症候群に対するリハビリは発症後早く始めるほどよいと考えられているため、診断が下されたら早い段階でリハビリ計画が立てられます。発症後まもなくの頃は神経麻痺が重度なことも多いため、筋肉に過度な負担がかからないように運動量や運動強度を調節しながら行います。そして徐々にリハビリの範囲を広げていくのです。

リハビリ期間や回復までの時間は重症度などによって個人差がありますが、目安としては2か月ほどかかることが多いとされています。しかし、神経麻痺が重度な場合には発症後一年以上経過してもリハビリを続ける必要があるケースもあります。

どのようなリハビリをいつまで続けるかについては、主治医や理学療法士などと良く話し合って、それぞれの症状に適したものを行うようにしましょう。

おわりに:適切な治療やリハビリを続けて、良好な予後を

筋力低下に伴う日常生活への支障や合併症を防ぐために、リハビリは欠かせないものです。ギラン・バレー症候群は適切な治療やリハビリを継続することによって、良好な予後を送れることが多いので、根気よくケアを続けていきましょう。

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