リンパ節炎はどんな病気? 何が原因で発症する?

2018/1/17

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

リンパ節炎とはウイルス感染や細菌感染などが原因でリンパ節が炎症を起こす病気です。リンパ節が腫れたり痛みが出たりしますが、原因によって治療方法は変わってくるのでしょうか。この記事では、リンパ節炎の原因と治療の注意点について解説しています。

リンパ節炎とは?

人間の身体の中にはリンパ管が網目のように張り巡らされ、中にはリンパ液が入っています。リンパ液は身体の老廃物を排出するうえで重要な役割を担い、ウイルスや細菌などと戦い体を守る役割も持っています。
このリンパ管の節目にあたるのがリンパ節です。体内に侵入してきたウイルスや細菌はリンパ液を介してリンパ管を通り、リンパ節に流れていきます。
このときリンパ節に感染して炎症が起こったものがリンパ節炎です。リンパ節炎になると腫れや痛みを伴ったり、発熱することもあります。

代表的な症状について

リンパ節炎にはいくつかの種類があり、そのうちの1つが咽頭炎や扁桃炎などの感染がリンパの流れに沿って広がることで、リンパ節に炎症が発生している急性化膿性リンパ節炎です。感染を起こした側だけに炎症が起こる特徴があります。

EBウイルスや風疹ウイルス、麻疹ウイルスなどの感染によってリンパ節炎が発生した場合は、腫れは小さく両側が腫れるという症状が現れます。EBウイルスとは伝染性単核球症を引き起こすウイルスであり、主な症状としてリンパ節の腫れ、痛み、発熱などが起こります。
また、結核菌の感染によって起こるリンパ節炎を結核性リンパ節炎と呼び、縦隔リンパ節の炎症が進行すると気管支などを圧迫し、呼吸困難などが発生することもあります。

リンパ節炎はどのように検査するの?

リンパ節炎は見た目にわかるほど腫れが現れるため、視診での見極めが可能とされています。また、痛みや発熱など自覚症状がある場合は問診によってはっきりとするケースもあるといわれています。視診や問診での見極めが困難な場合は血液検査を行い、リンパ節炎の原因が分からない状況では治療を行いにくいので、リンパ節生検を行うこともあります。
リンパ節生検とはリンパ節を直接採取して顕微鏡で調べる検査法です。明らかに症状があるにも関わらず、原因が分からない場合に用いられます。原因によっては早期の治療が必要になる場合があります。

リンパ節炎にはどんな治療法があるの?

リンパ節炎が発生している場合は感染症にかかっている可能性が高いといえるでしょう。もし感染症が原因であった場合は、原因となった感染症への治療が行われます。細菌感染の場合は、種類に応じた抗菌薬治療が有効です。また、痛みや発熱などの症状を抑えるために消炎鎮痛剤が用いられることもあります。
EBウイルスによる伝染性単核球症などのウイルス感染の場合は、特別な治療法がないため消炎鎮痛剤などで症状を抑えつつ安静にて自然治癒を待ちます。結核性リンパ節炎に対しては抗結核薬での治療が必要です。

このようにリンパ節炎はその原因によって使用する薬が異なります。また、炎症が腫瘍となった場合は外科的な治療が行われることもあります。

おわりに:リンパに腫れや痛みが出たときは、自己判断せず必ず病院を受診しよう

リンパ節炎は、リンパの腫れや痛みなど、日常的にみられる症状が現れる病気です。そのため、軽視してしまい治療が遅れてしまうケースも少なくありません。リンパ節炎は原因によって治療法が異なるため、自己判断は危険です。必ず病院を受診し、医師の指示通り治療を進めていきましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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