代表的な二次性高血圧の症状・治療法を知ろう!

2018/1/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

二次性高血圧とは、原因が明らかになっている高血圧であり、原因によっていくつかの種類に分けられます。種類別で症状や治療法が違うので、素人判断は危険です。この記事では、二次性高血圧の種類や症状、治療について解説しています。高血圧気味な人や、高血圧の家族や友人がいる人は参考にしてください。

二次性高血圧について

二次性高血圧とは、体質や遺伝、環境、加齢など、原因がはっきりとわからず発症する本態性高血圧とは違い、ホルモン分泌異常や腎臓疾患、薬剤の副作用など特定の原因が明らかである高血圧のことです。
高血圧の中の1割は二次性高血圧とされ、原因を取り除く治療が必要になります。

二次性高血圧が疑われる条件として

・20歳以下または50歳以上
・急な発症や短期間での血圧上昇
・二次性高血圧の原因となる臓器障害がある
・初診時の収縮期血圧180mmHg以上あるいは拡張期血圧110mmHg以上

などが挙げられます。

5種類の二次性高血圧とは?

代表的な二次性高血圧として下記が挙げられます。この中でも特に多いとされるのが腎性高血圧症です。

腎性高血圧症(腎血管性高血圧)

腎性高血圧症は、腎機能の障害、腎臓の血管の狭窄によってナトリウムや水分の排せつに異常が起こり循環血液量が増えたり、腎臓で産生されている昇圧ホルモンが増えて降圧ホルモンが減るといったことが原因で起こります。急に血圧が高くなったり、高血圧が急速に悪化する特徴があり、血圧が急に変化するため、頭痛やめまいを感じることがあります。

内分泌性高血圧症

内分泌機能の障害によって昇圧ホルモンの産生が過剰になり、降圧ホルモンの産生が低下する事が原因で発症します。内分泌性高血圧症には、副腎に腫瘍が出来る原発性アルドステロン症やクッシング症候群、褐色細胞腫などがあります。いずれも急激に血圧が上がる特徴があります。

心臓・血管性高血圧

心臓・血管性高血圧の原因となる病気として大動脈縮窄症や高安動脈炎(大動脈炎症候群)などが挙げられます。体の片側の血圧が高くなって血圧の左右差が生じたり、めまいや失神を起こすケースもあります。

脳・神経性高血圧

脳・神経系による高血圧症は、脳血管障害や脳腫瘍などの病気が元で血圧が上がります。脳がつかさどる神経機能に異常が起こる事で血圧が上昇し、頭痛や吐き気を伴う事もあり、意識障害も生じやすくなります。

薬物性高血圧症

薬物性高血圧症は血圧が上がる作用のある薬を服用する事によって発症します。例えば、肝障害の治療に使われるグリチルリチン酸や経口避妊薬、ステロイド剤、漢方薬の肝臓などの薬を服用する事が原因です。これらの薬剤にはナトリウムの排せつの低下を招く作用があり、体内にナトリウムと水分が溜まって血液量が増える事で血圧が上がります。

 

種類によって治療法も違うの?

上記で紹介した二次性高血圧は、それぞれの原因から治療をしていかなければ血圧が下がることはありません。
腎性高血圧症は血圧を下げるための降圧剤治療に併せて、根本治療として狭くなった腎動脈を広げる手術が必要です。
内分泌性高血圧症はホルモン分泌を正常に戻す治療を中心に行います。副腎の腫瘍を摘出しますが、状態によっては降圧剤で血圧を安定させる治療が必要になることもあります。
心臓・血管性高血圧の大動脈炎症候群の治療は、炎症を抑えるためにステロイドが使われます。また詰まった血管を人工血管や他の血管で再建する外科療法が検討されることもあります。
神経性高血圧は、原因となっている脳血管障害や脳腫瘍の治療を優先され、薬物性高血圧症は疑われる薬剤の使用を続けて良いのか、他の薬に変えるべきかの検討が行われます。

おわりに:二次性高血圧は原因からの治療が必要。血圧は常に確認するように心がけよう

二次性高血圧は、原因によって種類が分けられ、それぞれ症状や治療法が異なります。そのため、ただの高血圧だからと軽く考えて治療が遅れてしまうと、命に関わる状況に陥ってしまうこともあるのです。血圧は日常的に確認するように心がけ、高血圧の徴候が見られたときは、早めに医師に相談しましょう。

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