高血圧の症状の現れ方の変化って?どうやって対処すればいいの?

2017/12/28 記事改定日: 2019/4/4
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

健康診断などで、「高血圧」と診断されたことはありませんか。
今回は高血圧の症状や対処法などの基礎知識をお伝えしていきます。血圧管理の重症性を理解するためにも、きちんと覚えておきましょう。

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高血圧症とは、どのような状態なの?

高血圧症というのは、血管の中を流れる血液が血管の壁にかける圧が高い状態になることです。

血液は心臓のポンプによって押されて全身を巡っています。心臓が収縮したときの血圧を収縮期血圧(最高血圧ともいいます)、心臓が拡張したときの血圧を拡張期血圧(最低血圧ともいいます)と呼びますが、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上の場合に高血圧症と診断されます。

高血圧症には原因によって2種類あり、明らかな原因がわからないものを本態性高血圧、なんらかの原因があって高血圧を引き起こしているものを二次性高血圧と分類しています。高血圧症の多くは本態性高血圧で、原因がわからずに血圧が高くなっている人が大勢います。

高血圧ではっきりした自覚症が現れるのは、血圧がかなり高くなっている人が多く、大半の高血圧の人には自覚症状がありません。
血圧を測るまで自分が高血圧だと知らなかったという人も多くいます。

高血圧の症状の現われ方ってどう進んでいくの?

高血圧は自覚症状がほとんどないまま、脳梗塞や心筋梗塞などの恐ろしい合併症を引き起こすことがあるため、「サイレントキラー」とも呼ばれている病気です。

急激に血圧が上昇することによって頭痛や吐き気を引き起こすこともありますが、一般的な高血圧では自覚症状はほとんど現れません。
発症に気づかれないまま血圧が高い状態が続くと、全身の血管に過度な負担がかかり、徐々に動脈硬化が進行していきます。動脈硬化を引き起こした血管は細く硬くなった柔軟性を失うため、詰まりやすく破れやすくなります。その結果、心筋梗塞や脳卒中を突然発症することがあるのです。

また、血圧が高い状態が続くことで心臓や腎臓にも負担がかかり、心不全や腎不全を生じやすくなります。むくみや息切れ、動悸、夜間を中心とした呼吸苦などはこれらの合併症のサインでの可能性がありますので注意しましょう。

高血圧にはどう対処すればいいの?

高血圧の病院での治療法としては、薬物療法があります。
血圧を下げる降圧剤の服用をして血管を広げたり、体の中の余分な水分を体外に出したりして血圧を正常な値に近づくようにします。血圧が高い状態が続くと、様々な臓器に悪影響を与えて命に関わる病気を起こす危険があるため、適切な血圧に戻すことが重要です。

ただ、血圧を下げるためには薬物療法以外にも生活習慣を見直すことも大切です。食事の内容を見直して適切な塩分摂取量にすることや、肥満がある場合には減量をする、定期的な運動習慣をつけるといったことは血圧を下げる作用があります。

喫煙している人は禁煙することも効果があります。また精神的なストレスがある場合にはストレスを減らしたり、解消したりする方法を考えていきましょう。

おわりに:高血圧と診断されたら生活習慣の改善を!

高血圧症は放置すると動脈硬化の促進につながり、さまざまな重篤な病気に発展する恐れがあります。診断を受けたら、薬物療法だけでなく、ご自身の生活習慣もしっかり見直すことが大切です。

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