糖尿病性ケトアシドーシスの原因、「高血糖」ってどんな状態?

2018/5/8

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

吐き気や腹痛を引き起こし、最悪の場合は昏睡状態に陥るなど、命に関わる可能性もある「糖尿病性ケトアシドーシス」。この糖尿病性ケトアシドーシスの原因は「高血糖」ですが、そもそも高血糖とはどんな状態のことでしょうか?高血糖になるメカニズムと併せて解説します。

糖尿病性ケトアシドーシスについて

糖尿病性ケトアシドーシスとは、主に1型糖尿病の患者さんが発症する糖尿病の急性合併症です。インスリン不足による高血糖状態が原因で発症します。

倦怠感や吐き気、嘔吐・腹痛といった消化器症状、脱水症状、果物の香りのような息が一般的な症状です。症状が悪化するとショックや痙攣が起こり、昏睡状態に至ることがあるので、糖尿病の患者さんにこれらの症状が見られたら、早急に病院を受診する必要があります。

糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こす「高血糖」とその原因

高血糖とは、食事の過剰摂取などで余った糖が血中に留まり、必要以上に血糖値が高まった状態のことです。高血糖の原因や糖尿病性ケトアシドーシスを発症するまでのメカニズムを、糖尿病のタイプごとに解説します。

1型糖尿病の場合

1型糖尿病の方の場合は、インスリン注射の打ち忘れや量が少なかったときなどに高血糖状態となります。体のエネルギー源であるブドウ糖は、通常インスリンによって消費されていきます。しかし、インスリンが不足してブドウ糖が利用できなくなると、代わりに筋肉内のタンパク質や脂肪がエネルギー源として分解されることで、血液が酸性に傾き、脱水状態などの糖尿病性ケトアシドーシスの症状を引き起こすようになります。

なお、糖尿病以外の持病などの影響で体調が悪い日には、普段よりもたくさんのインスリンが必要な場合があります。こういった場合は普段通りインスリン注射をしていても、高血糖になりやすいので注意してください。

2型糖尿病の場合

一方、2型糖尿病の方は、清涼飲料水を大量に飲みすぎたことで高血糖になり、糖尿病性ケトアシドーシスになるケースが多いです(高浸透圧高血糖症候群:hyperosmolar hyperglycemic syndromeであることも多いです)。ジュースなどの甘い飲み物を大量に飲むと、その分大量の糖が体内に入ってしまい、血糖値を下げる役割を担う膵臓が対応できずに血糖値が急上昇し、昏睡状態に陥るようになるのです。

昏睡状態に陥る前の症状として、激しい口の渇きや多尿、脱水症状、下痢などの高血糖症状が起こります。これらを見逃さないようにすることが大切です。

高血糖を起こさないために

1型・2型どちらも、体力が低下しているときに高血糖状態ならびに糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こす傾向にあります。シックデイ(調子の悪いとき)のときは、安静を心がけ、食欲がなくても少しでも食事を摂取し、インスリンや服薬を中断しないようにしましょう。特にインスリン不足は高血糖を引き起こす主要因なので、インスリン注射を打つのが難しいときは、病院で主治医に相談することが重要です。

おわりに:インスリン注射の打ち忘れや、清涼飲料水の過剰摂取には要注意!

インスリン注射の打ち忘れや、清涼飲料水の過剰摂取など、高血糖を引き起こす要因はある程度特定できています。糖尿病患者さんはこれらのことに気をつけ、未然に高血糖を防ぎましょう。

 

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