淋病の感染経路と予防のための注意点とは!?

2017/12/25 記事改定日: 2018/7/27
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

淋病は淋菌を原因とする性感染症です。この記事では、淋菌の感染経路や予防のために大切なことを解説しています。淋病は、日本だけでなく世界中でみられる性感染症になるので、自身が感染しないため、そして周囲に感染を拡げないための参考にしてください。

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淋病の感染経路は?

淋病は性行為によって感染することから性病(性感染症)のひとつとされます。その原因となるのは細菌の一種である淋菌です。
セックスが感染経路であり、淋病の感染者とセックスをした場合、1回のセックスで30パーセントもの確率で感染するといわれます。

粘膜同士の接触や精液や腟分泌液など介して感染するため、ノーマルなセックスだけでなく、アナルセックスやオーラルセックスで感染することもあります。また、妊婦が感染した場合には母子感染する危険性があります。

オーラルセックスで感染した場合は、性器から咽喉に感染するため咽頭に症状が現れることもあります。そして、反対に咽喉から性器に感染が拡がることもあり、近年は性風俗店でのオーラルセックスで感染が拡大していることが指摘されています。

淋病の症状は?男女差や感染経路によって違うの?

女性は感染してもしばらくは自覚症状がないことが多く、症状が現れても軽度のことが大半といわれています。そのため、感染に気がつかないうちに進行し、卵管炎や骨盤腹膜炎、子宮内膜炎などに発展する危険性があるため注意が必要です。また、妊娠中に感染すると胎児に感染する危険があるだけでなく、流産や骨盤内感染症、早産や破水のリスクが高まるといわれています。
そして知らずに感染を拡大している恐れもあるので注意が必要です。

男性の場合は、尿道の痛みや痒み、違和感などを感じることが多く、尿道炎の症状として、黄白色や白色をした粘性の膿が出てくるようになります。進行すると精巣上体炎や前立腺炎などの病気を発症することがあり、治療が遅れると無精子症になり男性の不妊につながる可能性もあるのです。

オーラルセックスで感染したときの症状

淋菌感染者とオーラルセックスを行うと、喉に淋菌が感染することがあり、これを咽頭淋菌と呼びます。
咽頭淋菌は喉の痛みや痰、咳、発熱などの症状がほとんどないことが特徴であり、きちんと検査を行わなければ、咽頭淋菌であると分かることはまずありません。
このため、知らず知らずの内にパートナーに感染させてしまうことも多いのが問題となります。

淋病の感染予防のために気をつけること

世界中に広がっており、日本にも感染者が多くいる病気ですが、淋病の予防接種はありません。それに一度感染したからといって免疫を獲得することはないため再感染の危険もあります。
セックスが原因の感染症のため、セックス自体をしないことが一番の予防法といえますが、その考え方は現実的とはいえないでしょう。

粘液を介して淋菌を移さないためにも、セックスのときにはコンドームを必ず装着するようにしてください。また、無症状のことも多いため、無自覚で感染者(キャリア)になっている可能性があります。感染の危険性を下げるためにも、不特定の複数の性的パートナーを作らないようにすることをおすすめします。そして不特定のパートナーとセックスをした場合は、早めに検査を受けて感染拡大の予防に努めましょう。

淋病の検査キットはある?

淋菌には迅速には感染の有無が判断できる検査キットが販売されています。陰茎や腟の分泌物を採取して、検体を検査機関に送付して結果判定をするタイプのものと、自身で結果判定を行うタイプのものがあります。また、うがい液を利用して咽頭淋病の検査をすることもできます。

日本で一般的に流通しているものは検体を検査機関に送付するタイプのものですが、淋病以外にもクラミジアなどの性病を同時に調べることも可能です。
感染が疑われる人で、病院へ行く時間がない場合にはこれらの検査キットを上手く活用するのもよいでしょう。しかし、何らかの症状がある場合には治療の必要もあるため早めに病院を受診して、検査と治療を同時に行うことをおすすめします。
また、検体が正しく採取できていない場合には、正確な検査が行えないのでできるだけ病院で検査するようにしましょう。

おわりに:淋病は知らないうちに感染している可能性がある。コンドームの使用と早めの検査が重要!

淋病はセックスで感染する性病であり、ノーマルなセックスだけでなく、オーラルセックスやアナルセックスでも感染する危険性があります。粘膜や体液などのとの接触を避けるため、セックスのときには必ずコンドームを利用するようにしましょう。また、はっきりした症状が出ないこともあるため知らずに感染してしまっているケースも少なくありません。思い当たるきっかけや症状がある人は早めに検査し、これ以上感染を拡大させないようにしましょう。

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