慢性リンパ性白血病の症状と診断法について

2017/12/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

血液の癌・白血病の一種である「慢性リンパ性白血病」。この慢性リンパ性白血病を発症すると、どんな症状があらわれるのでしょうか。診断や検査方法と併せて解説していきます。

慢性リンパ性白血病とは?

慢性リンパ性白血病は、骨髄中でリンパ球が過度に作られてしまう病気です。白血病の中でも成人においては二番目に多い病気で、特に中年期からそれ以降の年代に発症する傾向が高いと言われています。反対に子供がかかることは極めて稀です。

血液の中には様々な血液細胞が存在しており、それぞれに役割が異なっています。たとえば白血球は免疫機能、赤血球は酸素運搬機能が主な役割です。これらの血液細胞は造血幹細胞と呼ばれるものが骨髄で生成、増殖しながらの分化を繰り返すことで形成されていきます。その最初の過程では、造血幹細胞は骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれていきます。このリンパ系幹細胞からは白血球の一種であるリンパ球が形成されていくのですが、慢性リンパ性白血病は、このリンパ球のひとつ、成熟した小型のBリンパ球が癌化し、無限に骨髄内で増殖することで引き起こされるものです。

抵抗力の低下、発熱、血小板の減少などの症状が現われるのは何故?

慢性リンパ性白血病は、初期の段階では自覚症状が非常に出にくいのが特徴です。ただし状態が進行していくと、抵抗力の低下や微熱などの発熱、血小板の減少や貧血などが出やすくなります。

これらの症状が出やすくなるのは、ひとつはBリンパ球に異常が生じることで、体の免疫機能に役割を果たしている白血球自体の量にも影響が出やすくなるためです。ですからそれにより免疫力、抵抗力が低下して細菌やウイルスに感染しやすくなる、常に風邪をひいているような状態になりやすくなります。

また慢性リンパ性白血病では血液や骨髄内ではリンパ球が異常に増殖してしまうため、血小板や赤血球が作られる余地が失われやすくなります。そのために血小板が減少したり、血液量が不足して貧血などの症状が出やすくなります。

どのような検査法があるの?

慢性リンパ性白血病の診断のために行われる代表的な検査法は次の通りです。

まずは血液検査です。血液を採取して、その中の細胞を調べることで慢性リンパ性白血病かどうかを診断していきます。血液中の白血球の数が多く、更にその中のリンパ球の数が一定以上あった場合には、慢性リンパ性白血病が疑われます。

それから骨髄検査です。腸骨などの骨に針を刺し、骨の中の骨髄組織を採取します。そしてその中の細胞の形を調べることで、慢性リンパ性白血病かどうかを検査する方法です。

更に採取した骨髄組織を利用して、特徴的な染色体の異常がないかどうかを調べる染色体検査も代表的な検査方法のひとつに該当します。この方法は、特に治療方針の検討に際して重要な診断方法とされています。

慢性リンパ性白血病は発見するのが難しい?

慢性リンパ性白血病は、先にも述べた通り初期段階では自覚症状が出にくい、気づきにくい病気です。微熱や倦怠感などが初期に出やすいですが、軽い風邪や疲労の蓄積、寝不足からくる状態などと勘違いされてしまうことも少なくありません。そのため、発見が遅れやすい傾向にあります。

しかし慢性リンパ性白血病は血液の癌です。そのため早期の段階で発見し、適切な治療を開始することが非常に重要です。このことは免疫機能の低下による感染症への罹患、あるいは自己免疫疾患のリスクを減らすことにもつながっていきます。そのためには定期的に血液検査を含めた健康診断を受ける、そして少しでも体調などに異変を感じた場合には、医師に相談することが望まれます。

おわりに:慢性リンパ性白血病の初期症状は風邪とよく似ているので要注意

慢性リンパ性白血病の初期症状は風邪の症状に似ているため、気づかずに発見が遅れ、進行してしまうケースが少なくありません。微熱や倦怠感などがずっと続くようであれば、念のため病院で血液検査を受けるようにしてください。

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