脂肪腫の手術を解説:手順、所要時間、痛みについて

2017/12/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

皮膚にできる良性腫瘍「脂肪腫」には、手術による治療が行われますが、具体的にどんなふうに手術が行われていくのでしょうか?手順や所要時間、術後の痛みなどについて詳しく解説していきます。

脂肪腫はどうやって治療するの?

脂肪腫はリポーマとも呼ばれていて、ほとんどが良性の腫瘍です。良性なのでそのままにしておくという人もいるのですが、放置することでどんどん大きくなっていく傾向があるため、治療を行うケースが多いです。

治療は手術によって取り除くのが一般的です。ただし、その前に脂肪腫かどうかの診断が重要になるので、事前にMRIなどで精密な検査が必要になります。脂肪腫であるということが分かれば、緊急手術をすることはなく、事前に日にちを決めてその日に手術を行いますが、病院によってはMRIの検査の予約が数週間ほど先になることもあります。手術によって脂肪腫を取り除いた後は、良性か悪性かの診断のために、病理検査に回して正確な検査を行います。

脂肪腫の手術の流れについて

脂肪腫の手術の流れとしては、まず麻酔をします。その後、脂肪腫のある場所を皮膚の上からマーキングをして、切開していきます。切開した部分からピンセットを使い腫瘍を取り出していきます。この時、腫瘍だけでなく腫瘍の周りの組織も一緒に取り除いていきます。細胞が残っていると、再発の危険性があるためです。

腫瘍が取り除ければ、切開した部分を縫合して手術は終わりになります。ただし腫瘍が大きかった場合は、身体の中に空洞ができてしまい、そこに血液がたまることがあるため、ドレーンと呼ばれる器具を挿入することもあります。縫った部分は抜糸を行い、1週間ほどで傷口もきれいになっていきます。縫合した部分を伸縮テープで覆うこともあります。

手術にはどれくらいの時間が必要なの?

脂肪腫の手術の時間は、麻酔から縫合までを含めて1~2時間ほどですが、実際に手術をする時間は10~20分程度です。腫瘍が大きければその分時間も長くかかるので一概には言えませんが、3時間ほどかかる場合もあります。手術は日帰りで行える場合もありますが、大きいと入院することもあります。

手術後は安静にして、1週間ほど飲酒や運動は避けるようにしましょう。入浴は傷口の大きさにもよりますが、翌日からシャワー程度ならOKの場合が多いです。湯船に入ることはできませんが、シャワーで流す分にはそれほど問題はありません。縫合したところの抜糸は、7~10日後になります。抜糸をする頃には傷口もだいぶきれいになってきて、皮膚が再生するようになります。

手術中や手術後に痛みが出ることはある?

脂肪腫の手術中は麻酔をしているので、痛みはほとんどありません。術後は、麻酔が切れてから当日から翌日にかけて痛むことがありますが、痛み止めが処方されるのでそこまで心配する必要はありません。傷口が1センチ以下の小さい場合は、術後の痛みを感じないこともあります。

多くの場合は、2日目以降から痛みがだんだんと和らいでいき、痛み止めを飲まなくても大丈夫なようになります。痛みがなくなれば、痛み止めを飲まなくても構いませんが、腫れ止めなどの薬は痛みがなくなっても継続的に飲むようにしましょう。こうすることで、術後の腫れなどのトラブルを避けて安全に治療を終えることができます。痛みが心配だという患者さんは多いですが、心配するほどではなかったという感想が多くみられます。

おわりに:不安や疑問点があれば医師に相談を

手術や術後の流れは、なんとなくイメージできたでしょうか。傷口や痛みについては、術後数日経てばほとんど問題なく改善していきます。ほかに不安なことがあれば、医師と相談の上、手術に臨みましょう。

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