記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食道癌の治療には、手術療法、化学療法、放射線治療など、様々な治療方法があります。この記事では、食道癌の治療方法の概要について解説しています。また、食道癌の予防方法にも触れているので、再発や発症リスクを下げるための参考にしてください。
食道はのどから胃へ食べ物を送る働きをしています。食道は筋肉質な臓器のひとつですが、食道の壁は多層になっていて、そのうち一番内側にある粘膜に癌が発生するのが食道癌です。日本人の90%以上の人がこの扁平上皮癌と言われるタイプの食道癌であり、他に腺癌と呼ばれるタイプの食道癌もありますが、日本人は10%以下にとどまるといわれています。
食道癌の治療法としては、まず手術が挙げられます。病巣を切除したあと、代わりの食道を再建します。がんのできている部位と進行の度合いによって手術の内容が決定されます。もっとも発生頻度が高く、切除手術が行われるのは胸部食道癌です。
他に内視鏡による治療法もあります。これは病変のある粘膜を切除する治療法です。開腹手術に比べて切除部位が小さく、出血量や痛みも少ないため負担が少ないことがメリットになります。また、光線力学的療法やレーザー焼灼などで治療することもできます。
さらに、食道癌は抗がん剤の感受性が高いがんだといわれているため、抗がん剤を使った治療も効果が高いといわれています。ただし日本では、化学療法は手術以外の治療を支える方法として選択されることが一般的です。
食道癌になると食事が十分にとれず体力が低下してしまうケースも多いため、放射線治療は入院が必要になります。
食道癌の危険因子に挙げられるのは、アルコール、熱い食べ物と飲み物、タンパク質やミネラル、ビタミンが不足した食生活に関係していると考えられています。そのため、タンパク質やミネラル、ビタミンを十分にとった食生活を心がけることが大切です。
食道癌は60~70代の男性に多いことから、喫煙や飲酒との因果関係も指摘されています。癌予防の特効薬はありませんが、普段の生活の心がけでリスクを軽減することは可能とされています。
食道癌の治療にはいくつかの方法があり、患者の状態などを考慮して複数の方法が組み合わせて治療が行われることがあります。どの治療にもメリットとデメリットがあるので、治療内容に関しては医師から十分に事前説明をしてもらい、十分納得したうえで治療方法を選択するようにしましょう。
また、食道癌は生活習慣の改善である程度予防できるとされています。100%予防できるわけではありませんが、リスクを下げるためにも、普段の生活習慣を見直すようにしてください。