慢性前立腺炎とはどんな前立腺炎?治療ではどんな薬を使うの?

2017/12/28 記事改定日: 2019/4/15
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

慢性前立腺炎の原因は複数あり、それぞれが複雑に絡み合って発症するケースもあるようです。そのため、治療に漢方薬が使われることもあります。この記事では、慢性前立腺炎の特徴と治療薬について解説していきます。

慢性前立腺炎の症状と原因は?

前立腺炎は、大きく分けて慢性前立腺炎、急性前立腺炎、非細菌性慢性前立腺炎、無症候性炎症性前立腺炎の4つに分類することができます。

慢性前立腺炎は、前立腺の炎症が慢性的に起こる症状であり、会陰部や下腹部、陰嚢(いんのう)部などに痛みや不快な症状を感じる病気です。
頻尿や、残尿感、尿閉、排尿痛などの排尿障害の症状が初期症状として現れやすく、日常生活に多少の影響をもたらす病気になっています。

慢性前立腺炎は、非細菌性慢性前立腺炎として発症することが多く、細菌などの感染が起因しないことがほとんどです。

細菌性の慢性前立腺炎は、ブドウ球菌や、腸球菌、セラチア菌などが原因菌になることが多いといわれています。ただし、急性前立腺炎が慢性化して発症することもあるため、1度でも急性前立腺炎になったことがある人は、注意が必要です。

非細菌性の原因

非細菌性の慢性前立腺炎は前立腺への物理的な刺激や、下腹部の蒸れなどが原因で引き起こされます。具体的には、長時間にわたるデスクワークや搭乗などによる座位、自転車やバイクなどによる長時間の振動刺激などが挙げられます。

また、ストレスや疲れの蓄積、過度な飲酒や睡眠不足などの生活習慣の乱れも発症するリスクを高めると考えられています。

慢性前立腺炎はどうやって治療するの?

慢性前立腺炎は、主に内服薬によって治療が行われます。服用する期間は、一般的に4週間から6週間ほどとされますが、前立腺には抗生物質が届きにくい性質があるため、数ヶ月の期間を要するケースもあります。

治療で使用される抗生物質はニューキノロン剤が主流です。ただし、クラミジアによる慢性前立腺炎の治療には、マクロライド系の抗生物質が選択されることもあります。

その他、α1遮断薬や生活習慣の改善、前立腺マッサージなどで改善がみられることもあります。

治療に漢方薬が使われることもあるの?

慢性前立腺炎の治療に用いられる漢方薬には、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)や五淋散(ごりんさん)があります。竜胆瀉肝湯は尿路や生殖器の炎症を和らげる効果が期待でき、五淋散には尿路の熱や腫れを抑え排尿しやすい状態を作り上げる効果が期待できます。また、骨盤腔内のうっ血を和らげるために、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、温経湯(うんけいとう)などを使用して治療をすることもあります。

漢方薬は体への負担が少なく、副作用などのリスクも低いとされていますが、慢性前立腺炎に対しての十分な治験実績がありません。そのため、使用に関しては自身の体質などを医師や薬剤師に分析してもらいながら、自分に合った漢方薬を選択することが重要になっています。自己判断で選択することは絶対にしないでください。

おわりに:漢方薬の治療に関しては必ず医師と相談し、許可をもらってから始めよう

慢性前立腺炎は感染が原因でないものが大半といわれていますが、細菌感染が原因のものや急性前立腺炎が慢性化したものあります。細菌感染が原因の場合は抗生物質の使用が必須です。
もちろん漢方薬で炎症症状の緩和がみられるケースもあるので、否定的に考える必要はありませんが、使用する前に必ず医師に許可をもらってから服用するようにしましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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