閉塞性動脈硬化症(ASO)の原因と治療方法について

2017/12/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

閉塞性動脈硬化症(ASO)とは、動脈硬化が原因で血管が狭くなり、血のめぐりが悪くなってしまう病気です。生活習慣が主な原因となる病気であり、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症に発展することもあります。この記事では、閉塞性動脈硬化症(ASO)の原因と治療方法について解説していきます。

閉塞性動脈硬化症(ASO)の原因

閉塞性動脈硬化症(ASO)は、手足の血管の動脈硬化が進むことで、血管が細くなったり、詰まったりして血流が悪くなり、手足の指先まで酸素や栄養が届かなくなる病気です。糖尿病や高血圧、脂質異常症、喫煙など動脈硬化の危険因子が動脈硬化を引き起こします。動脈硬化の原因はいくつかありますが、食生活や運動習慣などの生活習慣が要因になることが多いといえるでしょう。なお、最近はより広い疾患概念である末梢動脈疾患(PAD)という言葉に変わりつつあります。

閉塞性動脈硬化症のリスク

ASOだと診断された段階で、手足だけでなく、脳や心臓などの血管ににも動脈硬化が及んでいる可能性が高いことです。言い換えれば、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高い状態になっています。
ASOの5年相対生存率は約70%とされており、これは大腸癌とほとんど変わらない数値です。ASOは、動脈硬化が全身で進行してしまい、脳卒中や心筋梗塞などを合併することでなくなることが多い病気です。脚が痛いだけだからと放置してしまうと、受診や診断が遅れ、動脈硬化が進んでしまう原因になりかねません。疑わしい症状があるときは必ず病院で検査しましょう。

閉塞性動脈硬化症の治療法

問診や視診触診などで動脈硬化が疑われた場合は、造影剤検査や超音波検査などでさらに詳しい検査を行い、総合的な判断で閉塞性動脈硬化症の診断が行われます。

ASOと診断されれば治療の開始となります。状態によって運動療法や薬物療法、血管内治療のなかから適した方法が選択されますが、必要に応じて複数の方法を組み合わせて治療が進められることもあります。

運動療法

運動して血管を発達させることで血流の改善を目指す治療法です。主に行われる運動は歩行であり、歩くことで脚部の細い血管が発達し血液の流れが改善します。血流が良くなることで、以前よりも長い距離を歩けるようになるといわれています。
医師の管理のもと、1回30分のウォーキングを1日2回を目安に数ヶ月続けていき、回復度合によって歩く距離を増やしていくこともあります。

薬物療法

抗血小板薬や末梢血管拡張薬という、血液をサラサラにしたり血管を広げる薬を使って血流を良くしていきます。また、状態によっては、抗凝固薬という血栓を防ぐ薬が使われることもあるでしょう。これらの薬は、閉塞性動脈硬化症の主症状である脚の症状を改善するだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を予防する目的でも使用されます。

血管内治療

動脈硬化で狭くなってしまった血管を広げることで、血液が流れやすくなるようにしていきます。
治療方法には下記のものがあります。

・バルーン法・・・細い管を血管の中に入れて風船を膨らませ、血管を広げる治療法
・ステント挿入・・・ステントを血管に挿入し、血管を内部から支えて血液の通り道を確保する治療方法
・アテレクトミー・・・専用の医療器具で、詰まった部分を削り血流の改善を目指す治療方法。

上記の治療とあわせて、生活習慣の改善も必要になってきます。脂質が多い食事やカロリーの高い食事は控えるようにし、喫煙習慣がある人は禁煙が必要です。

おわりに:状態によって治療方法が違ってくるので、自己判断せず医師の指示に従って治療を続けよう

閉塞性動脈硬化症(ASO)の治療は、動脈硬化の進行度合や症状、合併症の有無などによって違ってきます。生活習慣の改善が必要なことは変わりませんが、推奨される運動や食事の内容には個人差があります。そのため、自己判断で運動メニューや食事メニューの変更を行ってしまうと体に悪影響が及んでしまう場合があるのです。
閉塞性動脈硬化症(ASO)と診断された場合は、必ず医師の指示通りに治療を進めていきましょう。

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