急性胆嚢炎(たんのうえん)の治療法について

2018/1/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

急性胆嚢炎は症状が重くなりやすく、早期の治療が必要になる病気です。この記事では急性胆嚢炎の治療方法について詳しく解説しています。薬物療法やドレナージ、手術療法と項目別に分けて説明しているので参考にしてください。

急性胆嚢炎について

胆嚢(たんのう)は肝臓の下部にある臓器であり、肝臓で作られた胆汁が一時的に保管されている臓器です。胆嚢に細菌が感染するなどして炎症が起こることを急性胆嚢炎といいます。

急性胆嚢炎は急に炎症が発生し症状も早く進行するため、一刻も早く治療を開始し胆嚢への負担を軽減することが必要です。そのため、すぐに絶食に入り、安静を保ちながら点滴で栄養補給を行います。それとあわせて鎮痛薬や抗菌薬で、痛みや炎症にアプローチしていきます。また必要と判断された場合には、手術を行う場合もあります。

薬物療法、トレナージについて

急性胆嚢炎(たんのうえん)における薬物療法は

・痛みを改善するために鎮痛薬の投与
・炎症の程度を抑えるために、感染の原因となっている細菌を退治する抗菌薬の投与

の2つが中心になります。治療期間中は絶食状態にあるのが基本なので、点滴によって栄養補給が行われます。

また急性胆嚢炎(たんのうえん)では胆石が胆管に詰り、胆汁の通過に支障が起きていることも多くあります。この状態を改善するためには、滞っている胆汁を外に出す治療が必要です。
このような状態の場合には、胆道ドレナージと呼ばれる治療法がとられることもあります。この治療では、鼻から医療用のチューブを挿入して胃、十二指腸を通過させて胆管にアプローチして、胆管に詰まっている胆汁を外側に出す治療が行われます。

医療用チューブの挿入は鼻から挿入すると言う方法ではなく、皮膚の上から針を刺し、肝臓から細いチューブを通す方法が選択される場合もあります。

手術療法(胆嚢摘出術)について

急性胆嚢炎(たんのうえん)においては症状発症後、手術療法が行われるのが基本です。急性胆嚢炎(たんのうえん)は胆石が原因で発症することが大半のため、再発を防ぐために胆嚢摘出術を行います。

手術療法(胆嚢摘出術)はふたつの種類があり、それが腹腔鏡手術と開腹手術です。

腹腔鏡手術とは、お腹を大きく切開しなくても良い、3~4個、小さな穴をあけるだけで済む手術です。そこから腹腔鏡という専用の器械を挿入し、テレビモニタに映る画面を確認しながら手術を行っていきます。時間はかかりますが体への負担は極めて少なく、ダウンタイムも短いのが特徴です。

開腹手術は10~15センチくらい、お腹をメスで切開し、そこから胆嚢を摘出します。こちらは重症化している場合や癌などの合併症が疑われる場合などに適用されることが多く、このような状況が明らかになった場合は腹腔鏡手術の途中でも、開腹手術に移行することがあります。

おわりに:胆嚢炎だと思ったら、早めの対応が大切です。

急性胆嚢炎は症状が重くなりやすいので、早期の判断が必要になります。少しでも不安な症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。

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