強皮症で生じる病変とは?治療のために正しい知識を身につけよう

2018/2/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

強皮症とは、皮膚が硬くなってしまう病気のことです。この病気は内臓病変が起こる全身性強皮症と内臓病変が起こらない限局性強皮症の2種類があります。この記事では強皮症の症状や治療について解説しています。適切な治療を続けるためにも、強皮症について正しい知識を身につけましょう。

強皮症とは?

強皮症には全身性強皮症と限局性強皮症というふたつの種類がありますがこのふたつは違った病気です。

限局性強皮症

症状が皮膚にだけ現れるもので、内臓には症状がでないことが特徴です。命を脅かすような深刻な症状を引き起こすおそれはないといわれています。

全身性強皮症

全身性強皮症は皮膚とあわせて内臓にも症状がでることが特徴です。
さらに全身性強皮症の中でもびまん型全身性強皮症と限局型全身性強皮症に分けられており、びまん型のものは5~6年の期間は症状の進行があり、限局型のものはほとんど症状の進行がありません。

このように強皮症といってもそれぞれには大きな違いがあります。この病気は女性に多いことが特徴で、30~50歳代の女性に発症例が多いといわれています。この病気が発症する原因ははっきりしておらず、いくつかの要因が重なり合って発症すると考えられています。

強皮症によって引き起こされる可能性のある症状

強皮症に気づくきっかけにもなる特徴的な症状がレイノー症状です。これは血流の悪化で手足の先の冷えが強くなり、ときには真っ白になってしまうこともあるという症状になります。

皮膚が硬くなるという症状は進行していきますが、徐々に症状が強くなった後に今度は症状が改善していくことがあります。しかし、皮膚が硬くなったままで元に戻らないケースもあり、このような場合は皮膚が硬さが原因で生活に不便がでてくることがあります。

内臓に症状がでたときには、消化管が硬くなってくると消化機能が落ちてしまい、消化吸収不能を起こします。肺が硬くなってくると肺の機能が正常に行われずに間質性肺炎を起こします。
他には腎臓がかたくなることで起こる腎不全、心臓がかたくなることで起こる心膜炎、弁膜症、不整脈があります。一般的には死に至るケースは少ないといわれていますが、肺高血圧症など死につながる症状もあるので油断はできません。

それぞれの症状に対する処置について

強皮症の治療法は現時点では根本的に治す方法はまだありません。そのため起こっている症状に対して苦痛を取り除いたり、不便をなくすような対症療法が行われます。
レイノー現象に対しては血流をサラサラにする薬を使用したり、血管を広げる薬を使用して血流を良くし症状の改善をはかります。この症状は冷えることで悪化するので、普段から冷えないように温めておくことが大切です。
関節痛など痛みに対しては鎮痛剤が使用され、逆流性食道炎などの消化器症状には制酸剤などを使用します。痛みがあるときでも可能な限りリハビリを行い動ける範囲を保持することが大切です。

こういった対症療法以外にも、皮膚が硬くなるという症状の進行を抑えるためにステロイド剤を使ったり、間質性肺炎の進行を抑えるために免疫抑制剤やステロイド剤を使うこともあります。

おわりに:病気のことを正しく理解し、適切な治療を続けていこう

強皮症には限局性強皮症と全身性強皮症があり、限局性強皮症は皮膚にしか異常が起こりません。全身性強皮症には臓器や関節に異常が起こることが特徴であり、まれに重篤な症状に発展することもあるので注意が必要です。しかし、皮膚病変は次第に改善する傾向があり、早期に治療を始めて内臓病変の進行を抑えることができれば予後は良好といわれています。
病気のことを正しく理解し、適切な治療を続けていくようにしましょう。

難病情報センター の情報をもとに編集して作成 】

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