ムコ多糖症の症状について病型ごとに解説します

2018/1/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ムコ多糖症は、ライソゾーム酵素というムコ多糖を分解する酵素が生まれつきないことで起こる病気であり、様々な症状が現れます。この記事では、ムコ多糖病の種類と種類別の症状の違いについて解説していきます。

ムコ多糖症の症状:①I型(IH型、IH/S型、IS型)の場合

重症型(IH型)、中間型(IH/S型)、軽症型(IS型)があります。
重症型はムコ多糖症全体の中でも重症で、6ヶ月から2歳頃に、肝臓・脾臓の腫れ、骨の変形、特徴的な顔つき、関節の拘縮などが認められます。6~8ヶ月以降に発達障害が起こり、身長は100cm程度、2〜4歳で発達のピークに達したあとは後退します。聴力障害や発音障害なども起こります。
軽症型は、5歳以降に、関節の拘縮、心臓の大動脈弁狭窄・逆流、角膜の混濁などが起こります。低身長の程度は軽く(130~150cm)、知能は正常です。

ムコ多糖症の症状:②II型の場合

日本人にもっとも多い型であり、重症型、中間型、軽症型があります。
重症型は、2〜4歳頃に、特徴的な顔つき、骨の変形、関節の拘縮、肝臓・脾臓の腫れ、知能障害が開始・進行します。言葉の遅れや大きな頭が、最初に気づかれる最も多い症状です。臍ヘルニア、鼠径ヘルニア、中耳炎もよく合併します。
軽症型は、5〜7歳頃に、骨の変形、関節の拘縮、低身長が認められます。重症型と同様の症状が出現しますが、進行は緩やかで、知能障害はありません。

ムコ多糖症の症状:③III型の場合

他のムコ多糖症とは異なり、重度の脳の神経変性症状が特徴で、身体症状は軽度です。2~6歳頃に症状が発現し、多動、乱暴な行動、発達の遅れが認められます。脳の神経変性症状により、7~8歳までに言葉が出なくなり、10代になると、睡眠障害、痙攣発作などが見られます。顔つきの異常や関節・骨の変形は非常に軽度であるために、診断が遅れることも多いです。

ムコ多糖症の症状:④IV型の場合

 

ムコ多糖症の中で最も強い骨の変形を示します。身長は100cm前後、知能は障害されません。幼児期になって、手足の変形、背骨のゆがみ、短い首、X脚、低身長が認められます。背骨が強く変形するために胴が短くなり、手足は関節を中心にゆがんできます。

ムコ多糖症の症状:⑤VI型の場合

重症型と軽症型があります。重症型の身体症状はIH型とよく似ていますが、知能は障害されません。1歳頃より、大きな頭、骨の変形、関節の拘縮が認められます。発育は6~8歳頃に停止し、身長は100cm程度です。角膜混濁、肝臓・脾臓の腫れ、皮膚の硬化、手足の骨・背骨の変形などが見られます。

ムコ多糖症の症状:⑥VII型の場合

頻度は極めてまれです。最重症型の新生児型では、胎児期または乳児期早期に死亡します。重症型はIH型に似ており、3歳頃までにさまざまな症状が現れます。軽症型は4歳以降に症状が現れ、骨の変形が主な症状となります。

おわりに:ムコ多糖症の病型を分けるのは、不足酵素と蓄積するムコ多糖の種類

ムコ多糖症の7つの病型は、体内で欠損している酵素の種類や、蓄積するムコ多糖の種類、症状によって分けられます。現在でも、早期診断のためのスクリーニング法が研究されています。

難病情報センター の情報をもとに編集して作成 】

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