海綿状血管腫は、無症状なら治療の必要はないの?

2018/2/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

海綿状血管腫は脳の血管の奇形のことです。はっきりとした症状がでないことも多く、知らずに進行してしまい深刻な症状を発症してしまうこともあるといわれています。この記事では海綿状血管腫の治療について解説しています。

海綿状血管腫の基礎知識について

海綿状血管腫(かいめんじょうけっかんしゅ)は、主に脳内の血管が血管腫(けっかんしゅ)と呼ばれる奇形になる病気です。人口の1%未満と少ない割合ながら、20~40代の男女に性差なく発症します。
発症後は出血を繰り返しなら少しずつ大きくなりますが、血液の流れがゆっくりなため、出血しても無症状の患者が多いのが特徴です。

ただし、血管腫が脳幹近くにできた場合や血管腫が大きい場合などは、約10%の確率で出血による神経症状が引き起こされるといわれています。

海綿状血管腫は無症状の場合もあるって本当?

海綿状血管腫は、脳ドック検査などで偶然見つかる「無症状」のものと、自覚できる症状が現れる「症候性」のものがあります。症候性の海綿状血管腫の場合、出血することで失語や麻痺、けいれん発作などの症状を伴います。これらの症状が出て初めて、海面性血管腫が発覚することが多いです。

また、海綿状血管腫には発症する部位によって、あらわれる症状に違いが出るという特徴もあります。例えば、脳幹にできた場合はめまいやふらつき、麻痺(手足、顔面、嚥下)、感覚障害、ものが二重に見えるなどの症状がみられます。一方、側頭葉の前方から内側部分にかけての大脳皮質に海綿状血管腫が生じた場合は、てんかん発作の症状が現れるケースが多いといわれています。

無症状の場合は治療をしなくても大丈夫・・・?

無症状の海綿状血管腫は放っておいても問題ないものも多く、一般的には特に治療をする必要がないと考えられています。しかし、脳幹部にできた海綿状血管腫は、無症状であっても将来的に出血するリスクが高いといわれています。

このように、将来出血したときに発作や麻痺などの症状が出る可能性が高いと判断された場合は、たとえ無症状でも治療が必要と判断されるケースもあることを知っておきましょう。

海綿状血管腫の治療方針について

治療が必要と判断された海綿状血管腫の治療法には、「手術治療」と「放射線治療」の2種類があります。

海綿状血管腫を根治するには、手術で取り除く必要があるため、まずは手術治療を試みるのが一般的といわれていますが、海綿状血管腫のある位置によっては手術による摘出が難しいこともあり、この場合は第二の選択肢として放射線治療が試されます。
ただし、放射線治療には効果がわかりにくく、サイズが大きいものには適応しにくいという懸念点もあるので注意が必要です。

また、無症状で特に出血のリスクがないと判断された場合は、必要に応じて血管腫の大型化を予防するための薬物治療をし、経過観察のみを行います。

おわりに:無症状でも治療が必要なケースも。まずは病院で検査・相談を

海綿状血管腫は、無症状のまま自覚なしに経過することの多い病気です。放置してしまうと、海綿状血管腫がある場所によっては将来深刻な症状や発作を引き起こすリスクもあります。無症状でも治療が必要なケースもあるので、まずは病院で検査し、治療方針を相談してください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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