ジャンパー膝などの応急処置に役立つ正しい「アイシング」を知ろう

2018/1/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ジャンパー膝などのスポーツの慢性的な障害には、アイシングが有効だとされています。こちらの記事では、ジャンパー膝の特徴や、アイシングの効果や方法などを詳しく解説しています。

ジャンパー膝はどんな障害なの?

ジャンパー膝とは、スポーツ時のジャンプや着地、ダッシュやストップ、ターンなどを繰り返し行うことによって起こる障害で、「膝蓋腱炎」とも呼ばれます。特にバスケットボールやバレーボール、サッカーなどのスポーツを頻繁に行う人によく見られるものです。

ジャンプやランニングの着地の衝撃は、脛骨粗面から膝蓋靭帯、膝蓋骨(膝のお皿)、大腿四頭筋に伝わって吸収されます。この衝撃が長期間もしくは頻繁に繰り返されると膝の腱や靭帯に過剰な負荷がかかり、炎症や微細な損傷が起こった結果、膝蓋骨の下に痛みを生じてしまうのです。なお、ジャンパー膝は痛みの度合いによって4つの段階に分類されており、初期では運動を始めるときに痛みますが、ステージ4に進むと腱の断裂が認められます。

ケガをした直後の応急処置のひとつ「アイシング」とは?

アイシングとは、患部に氷嚢などをあてて冷やすことを指し、スポーツなどで捻挫や打撲、肉離れといったケガをした際などに行われます。特にスポーツでのケガにおいては、RICE処置が推奨されています。
RICE処置とは、「Rest:安静」「Ice:冷却」「Compression:圧迫」をケガの急性期に行うというものです。ケガをしたときにできるだけ早くアイシングを行うことにより、ダメージを最小限に抑えることや、早期回復が期待できます。

アイシングは、急性の炎症だけでなく、ジャンプ膝やアキレス腱炎といった慢性的なスポーツ障害のために生じる痛みの軽減にも適しているとされています。そのほか、筋肉痛や疲労蓄積の軽減や、運動時の負傷の防止などの効果も期待できます。

アイシングの役割とは?

アイシングの主な役割は、大きく分けて2つあります。

ケガの応急処置や早期回復のため

ケガをした際、腫れや痛みを抑えることによって早期回復をはかることがアイシングの役割のひとつです。急速に冷やすことで患部の血管が収縮し、血流が減少するため、腫れや出血が最小限に抑えられます。

体のケアのため

スポーツなどで体を酷使した後は、筋肉が熱を持ち、炎症を起こしている状態です。そのため、強い疲労感があったり、翌日以降に筋肉痛を生じたりすることがあります。しかし、アイシングで筋肉のほてりを抑えることで、筋肉痛や疲労感の軽減効果ができるといわれています。また、運動前に筋肉の張りや痛みを感じにくくすることも役割のひとつです。

アイシングのやり方について

一般的に、アイシングは以下の4つの方法で行われます。

氷嚢を使う

ビニールやゴムで作られた氷嚢(アイスバッグ)に氷を入れ、患部にあてて冷やします。患部にしっかりとフィットさせられるよう、氷嚢の空気を抜いておくのがポイントです。

スラッシュバケット

コップ、バケツ、クーラーボックス、ポリバケツ、浴槽などに氷水を張り、患部を直接入れて冷やすという方法です。「アイスバス」とも呼ばれています。

コールドパックを使う

冷凍庫で冷やしたゲル状のパックで患部を冷やします。コールドパックは直接患部にあてるのではなく、タオルなどで包んでからあてるようにしましょう。

アイスマッサージ

紙コップで凍らせた氷や、アイスキューブなどを用いて直接皮膚にマッサージを施すというものです。広範囲に短時間で対応できるといわれています。

おわりに: スポーツでのケガのケアにアイシングを取り入れよう

アイシングは、ジャンパー膝はもちろんのこと、スポーツで負った捻挫や打撲などのケアにも大いに役立つ処置です。ただし、凍傷のおそれなども考えられるため、冷やし方や冷やす時間、温度などに気を付けながら行ってください。

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