中枢性顔面神経麻痺はどんな病気? 症状・対処法を解説

2018/1/24

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

顔面神経麻痺には、中枢性顔面神経麻痺と末梢性顔面神経麻痺があります。これらの顔面麻痺の症状や治療法に違いはあるのでしょうか。両者の違いについて、この記事では中枢性顔面神経麻痺を中心に解説します。

顔面神経麻痺について

顔面神経麻痺は、顔の筋肉(表情筋)を動かす顔面神経が麻痺して、脳からの指令が表情筋にうまく伝わらず、表情をコントロールできなくなくなる症状です。
顔面神経麻痺にはいくつかの種類があります。最も多いベル麻痺は突然顔の片側が動かなくなるもので、麻痺が起こっている側の表情筋が麻痺していないほうに引っ張られるため、顔が片方に歪んでいるように見えます。飲みものを片方の口の端からこぼしてしまったり、片目が閉じられなくなったりします。両側に麻痺が起こった場合、表情筋が思うように動かせなくなり、表情で感情を表現できなくなったり、無表情になったりします。
ベル麻痺のように帯状疱疹ウィルスによる麻痺は末梢性顔面神経麻痺、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって発症するものは中枢性顔面神経麻痺と呼ばれています。顔に麻痺が出る症状は共通していますが、初期の対処法は大きく異なります。

中枢性顔面神経麻痺とは?

中枢性顔面神経麻痺の「中枢性」は、脳と脊髄のことを指しています。脳の内部で起こった血管障害(脳梗塞や脳内出血など)が原因の麻痺で、核上性顔面神経麻痺とも言われています。
中枢性顔面神経麻痺の場合、麻痺の程度はそれほど強くなく、麻痺している側の額にしわを作ったり、麻痺しているほうの目を閉じたりできます。また、顔面麻痺とともに、手足のしびれが出て来ることがあります。
中枢性顔面神経麻痺を発症する原因には、脳梗塞や脳出血のほかにクモ膜下出血や脳血管障害、脳腫瘍といった深刻な病気が多いです。脳の障害が原因のため、病状によっては後遺症が残ってしまうことがあります。

中枢性顔面神経麻痺の識別方法・治療について

中枢性顔面神経麻痺は脳の血管障害が原因で起こるため、速やかな対処が必要です。このため、まずは末梢性顔面神経麻痺との識別を速やかに行い、適切な治療を施すことが重要です。
中枢性顔面神経麻痺の場合、顔面以外にも片麻痺といった手足の神経症状が起こることがあります。また、脳内の異常であるため、激しい頭痛や吐き気を伴います。この点が、顔の麻痺に症状が集中する末梢性顔面神経麻痺とは明らかに異なります。また、中枢性顔面神経麻痺の場合、麻痺が起きている方の眉毛を動かせることも、末梢性顔面神経麻痺と異なる点です。
中枢性顔面神経麻痺の場合、脳血管障害が考えられることからCTやMRIの検査が必要です。また、治療は脳の状態に応じた治療が行われます。深刻な後遺症を残さないために、的確な判断と症状に応じた治療を行うことが大切です。

おわりに:麻痺の状態をよく見て、適切な治療を受けることが大切

中枢性顔面神経麻痺は、麻痺が起きていても眉毛を動かせたり、顔だけでなく手足にも麻痺の症状が出ます。この点が末梢性顔面神経麻痺と大きく異なります。中枢性顔面神経麻痺は脳血管障害が原因ですので、気になる症状が見られたらすぐに病院で検査してもらいましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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