ぶどう膜炎はどうやって治療する? 治療期間はどのくらい?

2018/1/22

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

ぶどう膜炎は虹彩や毛様体、脈絡膜の総称であるぶどう膜に起こる炎症の総称です。この記事では、ぶどう膜を発症した場合にどのような治療が行われるのかや、治療にあたって気をつけるポイントを解説します。

ぶどう膜炎の発症メカニズムについて

ぶどう膜炎は眼の中にある虹彩や毛様体、脈絡膜の総称であるぶどう膜に起こる炎症の総称です。ぶどう膜は形が球体で、血管やメラニン色素を作る細胞メラノサイトが多く、色もぶどうに似ていることから名づけられました。
ぶどう膜炎はサルコイドーシス、原田病、ベーチェット病といった難病が原因になって起こるケースが多く、かつては三大ぶどう膜炎と呼ばれていました。しかし、近年ベーチェット病は減少傾向にあり、急性前部ぶどう膜炎や強膜炎による発症が増えています。
ぶどう膜炎を発症する原因として、三大ぶどう膜炎のような自己免疫疾患によるものや、細菌性眼内炎やヘルペス性虹彩毛様体炎のような細菌感染、外傷や腫瘍によるものなどがありますが、患者の3人に1人は原因が特定できないとも言われています。

どんな治療法があるの?

原因を特定できないぶどう膜炎の場合、炎症を抑えて視力障害を引き起こす合併症を防ぐ対症療法がとられます。炎症を抑えるためにステロイド薬による点眼治療が行われたり、目の奥にも薬の成分を届けるために、目の周囲に注射することもあります。
ステロイド薬を中止した場合は非ステロイド性抗炎症薬が使われます。また、散瞳薬で虹彩が癒着するのを防ぎつつ、虹彩や毛様体のうっ血を解消して痛みを和らげる治療も行われます。
一方、全身疾患が原因のぶどう膜炎の場合、ステロイド薬の内服や点滴による投与が行われることがあります。そして、自己免疫疾患が原因のぶどう膜炎に対しては、免疫抑制薬を目や全身に投与による治療が行われることがあります。

治療で使われる薬剤を知ろう!

ぶどう膜炎の治療で使われる薬剤として、ステロイド薬(副腎皮質で作られるホルモンで、炎症を抑える強い作用を持つ)が挙げられます。炎症が起きた場所や症状の程度に応じて、点眼や内服、注射、手術で眼球内に埋め込むといった投与方法がとられます。量の加減が非常に重要なため、医師の指示を厳守して使用します。
散瞳薬は、瞳孔を広げて虹彩の炎症で虹彩と水晶体が癒着するのを防ぎます。
白血球の動きを抑えるコルヒチンはベーチェット病の発作予防や抑制に使われますが、催奇形性があるため、妊娠を検討している人には使われません。
免疫抑制薬は病状によって選択され、月1回の血液検査で副作用の有無をチェックします。インフリキシマブ(炎症を起こす指令を伝えるたんぱく質の働きを抑える)というベーチェット病の治療薬も効果が高い反面、副作用の心配もあることから注意が必要な薬です。

定期的にきちんと通院を続けよう

ぶどう膜炎の症状が改善すると、薬の点眼や服用を忘れたり、通院しなくなったりすることがあります。しかし、一見治っているように見えても完治していなかったり、免疫システムに異常があったりして、炎症が再発しやすい可能性があります。また、緑内障や網膜剥離といった合併症は、症状が進行するまで自覚症状がないことも多いです。再発や合併症を予防するためにも、継続的な通院が大事です。
血液検査でその予兆を確認できれば、発作や再発予防のための治療を受けることができます。効果は高いものの、副作用が強い薬を使っている場合は、検査で薬の量を微調整し、副作用を抑えつつ高い薬効を得ることが重要です。特に、目以外にも症状が出る病気の場合は、医師に全身の状態を把握してもらうことが大切です。したがって、定期的な通院こそ、ぶどう膜炎治療の要と言えます。

おわりに:治っているように見えても、通院や薬の服用を忘れずに

ぶどう膜炎が完治するまでに時間がかかるかもしれません。でも、症状が落ち着いたからといって、安易に通院や薬の服用をやめたりせず、粘り強く治療を続けることが再発や合併症を予防する上で大切です。医師の指示をきちんと守って、ぶどう膜炎を治しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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