記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
アジソン病は副腎の機能が低下して発症する病気で、自覚症状が乏しいのが特徴と言われています。この記事では症状に気づきにくい原因と、早期発見のためにできることをご紹介します。
副腎皮質ホルモンは、生命の維持に欠かせない存在です。健康な人の場合、このホルモンが適切に分泌されていますが、何らかの原因で分泌量が滞ってしまうことがあります。これがアジソン病です。
アジソン病は、左右の腎臓の上にある副腎の機能が低下するために発症すると言われています。
副腎皮質ホルモンには糖質コルチコイドと鉱質コルチコイド、そしてDHEAという男性ホルモンの一種が含まれています。このうち、糖質コルチコイドが不足するとアジソン病を発症します。血糖値が下がり大脳に送り込まれる割合が少なくなるため、突然強い脱力感に襲われることがあります。
低血糖になると、神経過敏や集中力の低下が起こります。また、辛い食べ物が無性に食べたくなったり、普段食べないものを急に欲するようになったり、一時的に味覚異常になったりすることもあります。
自己免疫機能がアジソン病の原因となっている場合、甲状腺の病気や貧血などを併発する可能性が高くなります。合併症になった場合は体重減少や吐き気、ひどい寒気に襲われることもあります。このような症状が出てくるとかなりストレスを抱えることになるため、早期治療が大切なのです。
早期治療が重要ではあるものの、アジソン病は自覚症状に気づきにくいという特徴があります。副腎のどちらか一方が機能しなくなっても体の異変に気づくのが難しいため、症状の進行に気づかず慢性化しやすいのです。
また、アジソン病は他の病気が原因で発症することが多いことも、治療が遅くなる原因として考えられます。簡単な血液検査だけでは全く判別できず、腹部CTスキャンやホルモン検査も行わないと判断しづらいためです。
アジソン病は体の免疫機能が弱い人ほど、生命のリスクが高くなる病気です。年に一度は健康診断を受けたり、アジソン病のような症状があると感じるときは、病院で副腎や脳の下垂体の部分の検査を受け、医師の指示をあおぐのが無難です。
アジソン病は自覚症状があまりない病気のため、定期的な検査で数値の変化をチェックすることが大切です。また、いつもと違う食べ物を摂ることが多いなど、日常生活で小さな変化がみられたときは、念のため病院で検査を受けましょう。