鼻骨骨折の治療開始ができるだけ早いほうが良いのは何故?

2018/1/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

鼻は根元の鼻骨と盛り上がった部分の鼻軟骨で構成されています。鼻骨は頭蓋骨の一部ですが、薄く出っ張っているので骨折しやすい骨といわれています。この記事では、鼻骨骨折の治療について解説しています。

鼻骨骨折について

鼻骨は、頭蓋骨の一部であり、顔から盛り上がった鼻の高さを形づくっている、薄い骨です。顔から出っ張っていて、しかもデリケートな形状の鼻骨は、特に顔面を強打して負傷した場合などに折れやすい特徴があります。交通事故やスポーツなどでの転倒や衝突などがきっかけになることが多いといえるのではないでしょうか。

鼻骨が骨折すると、鼻血や腫れ、鼻筋の変形、鼻を押したときの痛みなどの症状が伴います。鼻の周囲の腫れが酷いと、鼻骨が折れているかどうかが外見からは判別できない場合もありますので、医師は触診やX線(レントゲン)、CT検査なども併用しながら確認します。

鼻骨骨折はどうやって治療するの?

まずは、折れた鼻骨を元の位置に戻す「整復」を実施します。
はじめに麻酔の成分が染み込んだガーゼを鼻に詰めて、局部麻酔をかけます(骨折から1週間ほどが経ち、鼻骨の変形が固定され始めている段階では、痛みが伴いやすいので、全身麻酔をかけることもあります)。

麻酔がかかったら、鼻の穴から鉗子を差し入れて操作しながら鼻骨が正常な位置に来るよう調整します。そして、鼻の中に帯状のガーゼを詰めて骨を固定し、鼻の外からもギプスで固定します。ギプスは通常、1週間ほどで外れます。

整復しても鼻の形状を希望通りに元に戻らなかった場合には、「外鼻形成術」が検討されることもあります。
外鼻形成術は、手術時の痛みが強いため、全身麻酔下で行われます。鼻の中(副鼻腔)の粘膜を切開し、変形した状態で固定してしまった鼻骨を専用の道具を使って再調整し、正常な位置に戻していきます。

治療開始が早い方が良いとされる理由は・・・

鼻骨は、骨折が起きてからすぐに処置するほど、治りやすくなるといわれています。早期に治療した場合は、鼻の変形は残りにくいだけでなく、骨折したことが見た目にわからないほど美しく回復できるケースもあるのです。

一方で、折れた鼻骨を2~3週間ほど放置すると、折れた状態のまま固定されてしまうことも少なくありません。このような状態では、顔の見た目が痛々しくなるだけでなく、鼻を使って呼吸しにくくなる問題も生じることがあります。

この状態を、陳旧性鼻骨骨折(鼻骨骨折変形治癒)と呼びますが、そのように鼻骨の変形が固定された場合は、前述の外鼻形成術によって、鼻を元に戻す必要があります。ただし、全身麻酔をかけたり、手術が長時間に及ぶなど、身体の負担が大きくなってしまうので、鼻骨骨折したときはすぐに病院に行きましょう。

おわりに:鼻骨骨折を放置すると、後々トラブルが・・・骨折したときはすぐに病院へ

鼻は顔の中央にあり、人の第一印象を決めるパーツのひとつです。鼻骨が骨折し、歪んだままになると、美容的にも悪影響ですし、周囲の人も気になってしまいコミュニケーションに集中できなくなる状況に陥ってしまうかもしれません。ひどいときには呼吸に悪影響を与えてしまうこともあるのです。鼻骨骨折は、早期に治療すれば骨折の痕がわからないほど回復できる場合もあります。「折れたかな」と思ったら、すぐに耳鼻科などを受診しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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