記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血管運動性鼻炎は、寒いところから急に温かい部屋に入ったときに出てくるくしゃみや鼻水のことです。原因ははっきりしていませんが、自律神経の不調が関わっていると考えられています。この記事では血管運動性鼻炎を改善に役立つセルフケアを紹介していきます。
血管運動性鼻炎とは、気温の差が激しい場所を出入りしたことをきっかけに、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻炎の症状が出ることをいいます。たとえば、夏の蒸し暑い屋外からクーラーの効いた部屋へ入ったり、冬の朝、起床時に暖かい布団の中から出たりするときなどに、寒暖差に反応して起こるくしゃみや鼻水などが該当します。
スギ花粉をきっかけにした花粉症や、細かいハウスダストなどを鼻から吸引したことが原因となるアレルギー性鼻炎のように、鼻炎を引き起こす具体的な物質(アレルゲン)が特にないのが、血管運動性鼻炎の特徴です。
血管運動性鼻炎は、疲れや寝不足による自律神経の乱れ、あるいは精神的なストレスなどが原因で、鼻の粘膜が空気の寒暖差に敏感になってしまうことで起こると考えられています。
また、酒やタバコ、激辛料理などの刺激物が好きな人、香水を好んで付ける人も、血管運動性鼻炎にかかりやすいとされています。
鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどが血管運動性鼻炎の主要な症状ですが、めまいや頭痛、全身のだるさを訴える人もいます。
血管運動性鼻炎の治療については、点鼻スプレーなど投薬によるものと、手術によるものがあります。
しかし、薬や手術で治療するほど重症ではない人の方が多いかもしれません。そこで、自分でできるセルフケアを下記で紹介していきます。
鼻の粘膜が寒暖差を感じにくいようにするには、鼻と口をマスクで覆い、外気に触れないようにするのがおすすめです。セルフケアとして最も簡単にできる対策といえるでしょう。
毎日、仕事に家事に忙しいという人のように、夜遅くまで起きている日が続いたり、睡眠時間が減ったりすると、脳や身体の緊張状態が続き、知らず知らずのうちに、身体に疲れやストレスが蓄積されていきます。睡眠を取ることによって、身体の見えないダメージが取れて、自律神経も徐々に正常に戻っていくことが期待できます。
忙しさに追われていると、食事のバランスや時間帯も崩れてしまいがちです。できるだけ、規則正しい時間に食事を摂るように心がけ、たんぱく質、野菜類、炭水化物を、いずれも偏りすぎないように食べることで、身体の調子も整っていきます。
また、飲酒や喫煙も、血管運動性鼻炎を悪化させる要因になるので、できればやめるか、適度な分量に抑えるようにしてください。
激しすぎる運動は、かえってストレスが溜まります。軽いウォーキングなどで身体をほぐし、気分転換を楽しむ気持ちが重要です。また、筋力トレーニングによって、筋肉をつけることも、自律神経の乱れの改善に役立つとされています。
血管運動性鼻炎の症状に対しては、セルフケアで改善させていくこともできます。ただ、「規則正しい生活」「バランスのいい食事」などの心がけが、どうしても肌に合わない方もいるかもしれません。重要なのは、セルフケアの実践そのものであり、ストレスを溜めすぎず、心身のバランスを崩さないことを第一に考えるようにしてください。
無理して全てをこなそうと思わず、ご自分に合ったセルフケアを粘り強く続けていくことが、血管運動性鼻炎の症状改善へと繋がるでしょう。