副耳(ふくじ)はいつ頃治療すれば良いの?

2018/1/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

副耳(ふくじ)は、赤ちゃんの耳や頬などにできるイボのようなできもののことです。発症要因はわかっていませんが、胎内で赤ちゃんの耳が形成されていく過程で発症すると考えられています。この記事では副耳の治療のタイミングについて解説しています。

副耳(ふくじ)はどんな病気?

副耳とは、耳の穴の前や頰の部分に生まれつきできる、皮膚におおわれたイボ状のできもののことです。1000人の赤ちゃんに15人程度の割合で見られるもので、それほどめずらしくはありません。お母さんのお腹の中で、赤ちゃんの耳ができる過程で生じるため、耳そのものの病気を伴うこともあります。遺伝性ではありませんが、発症の原因ははっきりとはわかっていません。

副耳は多くの場合、片方の耳の前に1個だけできますが、両方の耳の前にできたり、複数個できる場合もあります。また、首のあたりにできることもあります。大きさはさまざまで、ゴマ粒程度のものからダイズ大のものまであります。
副耳には、皮膚だけがイボ状になっているものと、イボの中に軟骨が含まれているものがあります。これは、副耳のイボに耳の軟骨に入り込むことで発症します。

副耳の治療法について

治療方法としては、結紮(けっさつ)術と切除術の2種類があります。
けっさつ術では、副耳が小さいものや軟骨を含まないものに対して行われる方法です。出産後早い時期にナイロン糸で副耳の根元を縛って完全に血液の流れが途絶えると、イボの細胞が壊死して1~2週間ほどで自然に取れます。麻酔は必要なく、生後すぐに実施することも可能です。

軟骨を含む場合は、副耳を切り取る切除術が必要です。手術に緊急性はないため、通常は全身麻酔ができる1歳程度まで待ってから行います。
どちらの方法でもわずかな傷あとは残りますが、副耳に比べればほとんど目立つことはないといえるでしょう。

副耳の治療はいつ頃行えば良いの?

副耳は生まれてすぐに気づきますが、両親が形成外科を受診するタイミングはあまり早くはないといわれています。
副耳自体は治療を急ぐ必要もないもののため、産婦人科の医師も積極的に形成外科の受診をすすめるわけではないことが理由のひとつといえるでしょう。治療を行わなくても命に関わることはなく、特に症状もないため、治療を行わない方も多くいるといわれています。

治療を行う理由のほとんどは見た目の問題によるものです。目立つ場所にできてしまうので、両親が気にしてしまうことが大半ではないでしょうか。
上述したように、副耳の治療時期は通常、全身麻酔が受けられる1歳過ぎが推奨されています。ただし副耳が小さい場合や軟骨が含まれていない副耳であれば、生後すぐに結紮術による治療が可能とされています。

おわりに:赤ちゃんの副耳が気になる場合は、形成外科の受診を

副耳は、耳の変形のうちもっとも多いといわれています。特に症状もなく、命に関わるものではないため、急いで治療を行う必要はありません。小さいものであれば生後すぐの治療(けっさつ術)も可能ですが、通常は全身麻酔を受けられる1歳過ぎ頃が治療時期(切除術)の目安となっています。治療後の傷あとは、副耳に比べればほとんど気になりません。赤ちゃんの副耳の見た目が気になる場合には、一度形成外科に相談してみましょう。

この記事に含まれるキーワード

いぼ(6) 副耳(2) 切除術(1) 結紮術(1) 乳児疾患(1)