膀胱結石を含む、尿路結石ができる原因と予防法を解説

2018/1/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

膀胱結石は、膀胱に結石(シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムが固まったもの)ができる病気です。尿路結石の1種であり、膀胱か尿道へ結石が移動すると激しい痛みが起こることがあります。この記事では膀胱結石を含む尿路結石の原因と予防について詳しく解説します。

尿路結石のひとつ、膀胱結石はどんな病気?

膀胱結石とは、尿路結石の1種です。腎臓では、1日1~2リットルの尿が産生されます。産生させた尿は、尿管を通って膀胱に溜められ、尿道を経て体外へと排出されます。この尿の通り道のことを「尿路」と言います。そこに結石が詰まって、尿の流れを妨げてしまう病気が「尿路結石」です。結石は、それぞれできた部位によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と分けられ、膀胱内に結石ができたものが、膀胱結石になります。

尿路結石は激しい痛みを伴います。その痛みは胆石、膵炎と並び「3大激痛」ともいわれるほどであり、尿路結石の中でも特に痛みが強いのが尿管に結石ができる尿管結石です。膀胱結石は尿管結石ほどの激しい痛みはありませんが、下腹部にチクチクとした痛みを感じます。また、膀胱に結石があるため、トイレが近くなるという特徴があります。

尿路結石ができる原因は?

尿路結石ができる原因は、カルシウムにシュウ酸やリン酸などが結合することです。尿路結石でできる結石の約80%が、カルシウム結石といわれています。
特に多いといわれている「シュウ酸カルシウム結石」には、動物性たんぱく質の摂取量が大きく関わっていることが指摘されています。動物性たんぱく質を食べると、シュウ酸や尿酸などの物質が体内に増えますが、シュウ酸はカルシウムと結合しやすいという性質があるため、腸の中でカルシウムと結合し、便として排出されます。しかし、シュウ酸の量が多すぎて便で排出できなくなると、余ったシュウ酸が尿の中に出てしまいます。尿の中でシュウ酸がカルシウムと結合し、石のように固まったのが結石です。結石は尿と一緒に排出することができず、腎臓に障害を起こしたり、尿管を詰まらせてしまうのです。

尿路結石を予防するにはどんなことに取り組めばいい?

尿路結石を防ぐには、食事と運動の2つの面からの改善が必要です。それぞれどのような改善が必要かを紹介していきます。

食事面

尿路結石の多くを占めるシュウ酸カルシウム結石を防ぐには、シュウ酸を体内に増やし過ぎないことが大切です。肉類などの動物性たんぱく質は、シュウ酸を増やす働きがあります。肉類を控えめにして、野菜を多めにとる和食中心のメニューがおすすめです。ただしほうれん草はシュウ酸を多く含むため、食べ過ぎないようにしましょう。茹でることでシュウ酸が水に溶けだすため、ほうれん草をいただくときはお浸しがおすすめです。

逆にカルシウムは積極的に摂ることが大切です。従来はカルシウムの摂り過ぎが尿路結石の原因のひとつとされていました。しかし、カルシウム摂取量を増やすことで、腸内で余分なシュウ酸と結合させ、便として排出させることにより結石を防ぐ効果が期待できることがわかってきました。カルシウムは、牛乳をはじめとする乳製品、小魚、大豆などの豆類、緑黄色野菜にも豊富に含まれています。

ビタミンCは大切な栄養素ですが、体内で代謝されるとシュウ酸を作ります。結石ができやすい人はビタミンCサプリメントや飲み物などで大量に摂らないようにしてください。

水分不足は尿の濃度を高め、結石ができやすくなります。また、小さな結石は尿と一緒に排出されます。水分を多めに摂るようにすると予防につながります。ただし、紅茶やコーヒーにはシュウ酸が含まれているので、あまり飲みすぎないようにしましょう。

運動面

縄跳び、ウォーキング、軽めのジョギングなど、身体を適度に上下に動かす運動をすると結石が砕けて小さくなります。小さくなった結石は尿と一緒に自然に排泄されるため、適度な運動も尿路結石予防に効果的です。また、日常生活の中でも階段を積極的に使うことで、上下運動を増やすことができるでしょう。

おわりに:結石を防ぐために、食事や運動に気をつけよう

尿路結石は激しい痛みを伴うことがある病気です。すぐに生死にかかわるわけではありませんが、痛みや排尿障害などが起こることで、仕事や家事にも支障をきたします。日ごろから食事や運動に気を付けることで、結石を予防していきましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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