イライラ、不安定・・・子供の精神状態に食事が関係している?!

2018/1/17

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

近年は子供の情緒不安定の低年齢化しているといわれています。これは共働きが増えたことでしつけが行き届かなくなったことが大きな原因ともいえますが、食生活が起因している可能性があることが指摘されています。下記の記事で詳しく解説していきましょう。

精神的に不安定な子供が増えている・・・?

かつて、反抗期は中学生や高校生のものでしたが、近年、常にイライラしたり、急にキレて反発したりする子供の低年齢化が進んでいると指摘されます。すぐに「むかつく」とか「死ね」など、ひどい言葉づかいをする子供も目立つようになったといわれています。

幼稚園児や小学生にして、すでに情緒が不安定になり、問題を引き起こしているケースもあるとされ、小学校などでの「学級崩壊」によって担任教師が精神的に追い込まれるなど、社会的な課題となっています。

夫婦共働きの家庭が増えて、しつけが行き届いていないこともあるかもしれません。他人に働きかけることによって寂しさを埋めたい心理状態になっていることもあるでしょう。

しかし、時代の流れによって食生活に変化が生じている点も、子供達の精神によくない影響を及ぼしているとの指摘もあります。

砂糖や加工食品の過剰摂取によって起こる問題とは

たんぱく質、炭水化物、脂肪、ビタミン、無機質……。私たちの身体は、口から入れた食べ物や飲み物によって形作られています。いえ、身体だけではありません。人の心理状態を司っているホルモンや神経伝達物質なども、食べ物からつくられています。それは子供たちも同様なのです。

市販のお菓子やスナック、清涼飲料水を好む子供達が陥りがちといわれているのが「脚気(かっけ)」です。手足のしびれや麻痺から始まり、最悪の場合は心不全で死亡しかねない症状ですが、この脚気はビタミンB1の欠乏症が原因で発症します。

そして、砂糖を摂りすぎるとビタミンB1を消費して代謝を促進させますが、インスリンの作用で一時的にかえって低血糖状態になるので、そのためにイライラした感情が沸き起こりやすいと考えられています。

また、ファーストフードやインスタント食品、ハムやソーセージなどの加工肉の摂りすぎにも注意です。これらの食品に比較的多く含まれるリン酸塩は、味覚を支える亜鉛分の体内吸収をさまたげてしまうので、子供達は普段の食事を美味しく感じられなくなるかもしれません。調味料の付け過ぎなど、健全な食生活に支障が生じてしまう傾向があります。

食事と共に、睡眠・運動も重要

親世代の夜型傾向が強まるにつれ、現代の子供も夜更かしをしがちです。ただ、子供が健やかに成長するためには、10時間程度の睡眠が必要だとされていますので、10時間に満たない睡眠時間だと、子供達は知らず知らずのうちに疲労を蓄積させ、やはり苛立ちを募らせやすい精神状態になりかねないといえるでしょう。
また、ひとり遊びよりも、屋外での集団遊びのほうが、その後の食事や睡眠のリズムが整いやすくなり、子供の精神面にも好影響をもたらすと考えられています。

おわりに:現代は生活習慣が乱れやすい。子供の心身の健康のためにあらためて見直そう!

子供が口汚く怒鳴り散らしたり、空気を読まずに暴れたりするのは、かつては親のしつけの問題として片付けられがちでした。しかし、食生活の乱れや睡眠不足、運動不足が原因となって、精神面に悪影響を及ぼしている可能性もあります。子供は親をよく見ているものです。まずは親が率先垂範して、規則正しくバランスの良い生活を送るようにしたいものです。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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