女性だけじゃない! 男性の冷え性について

2018/1/17

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

冷え性は女性特有の症状ではありますが、男性にも起こることがあります。命を脅かすものではないので軽視されがちですが、男性の冷え性はEDなどにつながるともいわれているので軽視はできません。この記事では男性の冷え性の改善方法のヒントを紹介しています。

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男性も冷え性になるって本当?

冷え性とは、何らかの原因で血流が弱くなることで、心臓から遠く、皮膚に近い毛細血管まで血液が行きわたらなくなるため、手足などが冷えて感じられる症状をいいます。冬に多いイメージがありますが、冷え性は一年中、季節を問わず現れます。

冷え性は女性に多くみられる特徴があります。これは女性が男性に比べ筋肉量が少ないため体温を上げづらいうえに、皮下脂肪が多いことで冷めやすく温まりにくい体質をもっているからです。また、生理などで血液が不足しがちな時期もあることも冷え性に悩まされやすい理由といえるでしょう。

しかし女性に多いとは言え、冷え性は男性にもみられます。加齢によって筋肉量が少なくなれば男性であっても体温を上げにくくなります。男性が冷え性になると、頻尿や腰痛、ED(勃起不全症)を併発しやすいといわれているので軽視はできません。

男性が冷え性になる主な原因とは?

男性の冷え性になる原因は、筋肉量の低下や運動不足、栄養不足、ストレス、喫煙習慣など、様々なものがありえます。
ストレスがもたらす自律神経失調状態は、体温調節の機能を低下させ、冷え性をもたらすことがあります。また、運動不足や栄養不足の状態でも、体温調節機能が鈍ることがあります。その他、ニコチンは血管が細くする作用があるため、喫煙すると血流が悪くなり体が冷えやすくなると考えられています。

ただし、冷え性と思っているものが実は低体温症だったというケースもあるので注意が必要です。冷え性は、身体の芯は正常体温なのですが、低体温症では身体の芯の体温までも下がってしまいます。
低体温症も男性がかかる危険性があります。寒い環境にさらされやすい屋外で仕事をする人の発症例が多くみられ、突然倒れることも少なくありません。また、低体温症になると、身体に細菌やウイルスが入ってきたときに追い払う免疫力も低下、風邪などの感染症や脳血管障害、糖尿病などを発症しやすくなるといわれています。

男性も女性も、冷え性改善のポイントは「衣服・食事・運動」!

まず衣服ですが、体表で寒気がするときは、衣服を重ね着するよりも、枚数は少なくても衣服と衣服の間に空気を含み込むような着方をすると効果的です。空気は断熱効果が高いので、寒気がするときは空気を通しにくい素材の服を着て衣服と衣服の間に空気の層を作るようにしましょう。

また、1日3食のうち、せめて1食でも温かい食材を摂りたいものです。筋トレやスクワットなどのような、筋肉量を増やしやすいエクササイズを継続することをおすすめします。筋肉量が増やせれば、身体の内側から体温を上げることができるため、冷え性の解消が期待できます。

おわりに:食事や衣服を工夫し、筋トレを継続して冷え性を防ごう

女性に多いイメージのある冷え性ですが、男性も加齢で筋肉量が下がることをきっかけに、体温の生成効率が下がってしまい冷え性になることがあります。ただ、積極的な筋トレによって体温生成の機能を回復させ、冷え性を解消させた事例もあります。ただし男性であっても筋トレには向き不向きがあります。規則正しい食生活や運動習慣を取り入れながら自分にあった方法で冷え性を改善していきましょう。

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