記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/16 記事改定日: 2019/9/5
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
女性化乳房とは男性の胸部が女性のように膨らんでくることで、肥満が原因で起こるものを偽性女性化乳房といいます。通常はダイエットなどで肥満が解消されればなくなりますが、ダイエットをしても元に戻らないこともあります。この記事では偽性女性化乳房について、症状や治療法を紹介します。
女性化乳房とは、男性の胸部が女性の乳房のように膨らんでくる現象をいいます。何か具体的な症状が出るわけではありませんし、自然に元に戻ることもあります。ただ、男性にとっては自身の外観として違和感や嫌悪感、羞恥心をおぼえることが考えられますので、手術治療の対象となることもあります。
女性化乳房には、「真性」と「偽性(仮性)」の2種類があります。真性女性化乳房は、胸部の皮下脂肪だけでなく乳腺も発達して、乳房のようなふくらみが生じる現象ですが、偽性(仮性)女性化乳房では、胸部の皮下脂肪のみが溜まってくることによって、ふくらんでくる症状です。大半の女性化乳房は偽性(仮性)女性化乳房で、最大の原因は肥満といわれています。
偽性女性化乳房は肥満が原因で起きるので、ダイエットをすれば目立たなくなると考える方も多いでしょう。確かに、ダイエット後に偽性女性化乳房がみられなくなる場合もありますが、その一方で、痩せても胸の脂肪分だけ残ってしまう場合もあるのです。
また、ダイエットとともに筋力トレーニングをして大胸筋を付けても、偽性乳房自体はなくならないので、かえってふくらみが目立ってしまうケースもあります。せっかく鍛えても女性化乳房が残ったままでは、男性としての自信を取り戻せないと感じてしまうこともあるでしょう。
このように、自力のダイエットだけでは解決しない偽性女性化乳房もあり、その場合は手術で治療することになります。
ダイエットによって解消しない偽性女性化乳房は、脂肪吸引手術によって治療をするのが一般的です。麻酔を施して脇のあたりに穴を開け、そこへ吸引管(カニューレ)を差し入れます。乳房のようになった胸部の上から、ガーゼや包帯などで押し当て、少しずつ圧迫しながら、吸引管を通じて皮下脂肪を体外へ吸い出します。吸引管を差し入れる穴は直径数ミリほどで、すぐに塞がるため、通常は縫合しません。
肥満の度合いが高く、胸の膨らみが大きい人の場合、偽性女性化乳房の脂肪を吸引した後、皮膚のたるみが残る可能性があります。その場合は、余った皮膚を取り除く外科手術も合わせて行う場合もあります。
ひとりで悩みを抱えず、まずは専門医に相談してみましょう。