陰茎に発症するリンパ管炎「陰茎硬化性リンパ管炎」について

2018/1/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

陰茎硬化性リンパ管炎とは、陰茎のリンパ管が硬くなり、しこりになってしまう病気です。痛みやかゆみなどは現れませんが、治療の必要はあるのでしょうか。この記事では陰茎硬化性リンパ管炎の発症要因や治療の必要性について解説しています。

リンパ管炎はどんな病気?

まず、リンパ管炎とは、人間の身体を感染症から防御してくれるリンパ管が、「レンサ球菌」や「ブドウ球菌」などの細菌に感染して炎症を起こす症状です。

リンパ管炎にかかった皮膚の部位には、赤い筋が不規則に走り、体感として熱を帯びていたり痛みを感じたりすることがあります。ほかにも悪寒や頭痛、頻脈などの症状が自覚されたりもします。

また、リンパ管炎の感染が血管を通じて全身に広がることもあり、症状が進行になってしまう場合もあります。

一般的なリンパ管炎は投薬治療を行います。原因菌であるレンサ球菌やブドウ球菌に効果のある抗菌薬の処方によって、早期にリンパ管炎が消失します。

陰茎硬化性リンパ管炎とは?

陰茎硬化性リンパ管炎とは、陰茎の皮膚下のリンパ管に沿って帯状の硬いしこりが現れるものです。陰部のリンパ管の一部が硬化したり、肥大して分厚くなったりする症状で、20代から40代の男性に起こることが多いといわれています。

陰茎硬化性リンパ管炎は陰茎前方の出っ張った外周部分(冠状溝)や陰茎本体、包皮内部などにできやすいですが、ときに亀頭や陰嚢にもできることがあります。

セックスのしすぎや過剰なマスターベーションで陰茎に強い刺激がかかったり、刺激が長時間持続したときに発症すると考えられていますが、はっきりしたことはわかっていません。性病には分類されず、性交やマスターベーションとは関係なく起きるとの見方もあります。そのため、正式には「非性病性陰茎硬化性リンパ管炎」と呼ばれます。

一般のリンパ管炎とは異なり、陰茎硬化性リンパ管炎の症状は、陰茎の一部分が硬化されたり、蛇行した筋がふくらんで見えたりして違和感を覚えることであり、痛みやかゆみなどはなく、頭痛や寒気など、身体の他の部位に影響が及ぶことも基本的にありません。

陰茎硬化性リンパ管炎の治療法

陰茎硬化性リンパ管炎は、特別な治療をしなくても、通常、2週間から半年ほどで自然に治ることが多いといわれています。ただし、何度も再発する場合は、リンパ管切除手術で根治を目指すこともあります。切除手術では、切開して硬化した患部を取り除いて縫合し、約1週間後に抜糸を行います。
患部のリンパ管を針などで突き刺してリンパ液を抜き取る施術もありますが、再発が多く効果は限定的だといわれています。

おわりに:他の病気と区別するためにも、念のための病院を受診しよう

陰茎硬化性リンパ管炎は、陰部にできるものです。深刻な症状も出ないため、恥ずかしさから病院を受診しない傾向があります。セックスやマスターベーションのやり過ぎが原因だとされていることも、受診を避ける傾向に拍車を掛けているのかもしれません。しかし、陰茎硬化性リンパ管炎ではなく、別の病気の可能性もあるので、念のため泌尿器科を受診するようにしましょう。

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