陰茎に発症するリンパ管炎「陰茎硬化性リンパ管炎」について

2018/1/16 記事改定日: 2018/12/6
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

陰茎硬化性リンパ管炎とは、陰茎のリンパ管が硬くなり、しこりができる病気です。痛みやかゆみなどは現れない病気ですが、治療の必要はあるのでしょうか。この記事では、陰茎硬化性リンパ管炎の発症要因や治療の必要性について解説しています。

リンパ管炎はどんな病気?

リンパ管炎とは、人間の体を感染症から防御してくれるリンパ管が、「レンサ球菌」や「ブドウ球菌」などの細菌に感染して炎症を起こす症状です。

リンパ管炎にかかった皮膚の部位には、赤い筋(すじ)が不規則に走り、熱を帯びた感じになったり、痛みを感じたりすることがあります。このほか、悪寒や頭痛、頻脈などの症状が出ることもあります。また、リンパ管炎の感染が血管を通じて全身に広がって症状が進行することもあります。

一般的なリンパ管炎の場合、薬物療法(レンサ球菌やブドウ球菌に効果のある抗菌薬の服用)すると、リンパ管炎が治ります。

陰茎硬化性リンパ管炎とは?

陰茎硬化性リンパ管炎とは、陰茎の皮膚の下を通るリンパ管に沿って、帯状の硬いしこりができる病気です。発症すると、リンパ管が部分的に硬くなったり、肥大して分厚くなったりする症状がみられます。しこりは冠状溝(亀頭と陰茎体の境目)や陰茎本体、包皮内部などにできやすいですが、亀頭や陰嚢にできることもあります。20代から40代の男性に起こることが多いといわれています。

性行為やマスターベーションをしすぎて陰茎に強い刺激がかかったり、刺激が長時間持続したときに発症すると考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。性病には分類せず、性行為やマスターベーションとは関係なく発症する、との見解もあるため、正式には「非性病性陰茎硬化性リンパ管炎」と呼ばれています。

陰茎硬化性リンパ管炎の症状は、一般のリンパ管炎とは違って、陰茎の一部が硬くなったり、蛇行した筋がふくらんで見えたりして違和感があることです。痛みやかゆみなどはなく、頭痛や寒気など、体の他の部分に影響が及ぶこともありません。

陰茎硬化性リンパ管炎の治療法

陰茎硬化性リンパ管炎は、特別な治療をしなくても、通常、2週間から半年ほどで自然に治ることが多いといわれています。ただし、何度も再発する場合は、リンパ管切除手術で完治を目指すこともあります。

切除手術では、切開して硬化した患部を取り除いて縫合し、約1週間後に抜糸を行います。患部を針などで刺してリンパ液を抜き取る方法もありますが、再発が多く効果は限定的だといわれています。

おわりに:他の病気と区別するためにも、念のための病院を受診しよう

陰茎硬化性リンパ管炎は、深刻な症状がないため、恥ずかしさから病院を受診しない人が多いようです。性行為やマスターベーションのしすぎが原因と考えられていることも、受診を避ける理由になっているかもしれません。しかし、陰茎硬化性リンパ管炎ではなく、別の病気の可能性もあるので、念のため泌尿器科を受診するようにしましょう。

この記事に含まれるキーワード

性病(22) 泌尿器疾患(4) リンパ管炎(2) 陰茎硬化性リンパ管炎(1) 冠状溝(1)