記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/19 記事改定日: 2019/9/30
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺が過剰に働いてしまうことで起こる諸症状のことです。主にバセドウ病やプランマー病などが原因で起こります。
この記事では、甲状腺機能亢進症の人が気をつけるべき食事について解説します。
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)とは、甲状腺の機能が極端に高まり、血液中の甲状腺ホルモンが増えることで様々な症状を引き起こす病気のことです。
代表的な疾患名として「バセドウ病」や「プランマー病」があります。
発症すると、汗が止まらなくなる、緊張したようにどきどきしたりいらいらする、手が震える、たくさん食べているのに痩せるなど、複数の症状が1週間以上にわたってみられます。症状が似ていることから、自律神経失調症やパニック障害と間違えられることもあります。
このような甲状腺異常を発症する人のほとんどが女性であり、甲状腺異常の症状には月経(生理)不順など女性特有の症状があります。
プランマー病とは甲状腺機能亢進症の一種で、甲状腺にできた腫瘍が、甲状腺ホルモンを過剰に分泌してしまうことで起こる病気(自己免疫疾患)です。
腫瘍そのものが甲状腺ホルモンを分泌するかどうかによって、通常の甲状腺腫瘍と区別されます。
甲状腺に腫瘍やしこりが発生すると、腫瘍やしこりから甲状腺ホルモンを大量に分泌するようになります。
この状態では、たとえ甲状腺本体からの分泌量が正常であっても、血液中の甲状腺ホルモンの濃度は正常値を超えてしまいます。
血中の甲状腺ホルモン濃度が上昇すると、甲状腺と甲状腺ホルモンをコントロールしている脳下垂体が甲状腺本体にホルモン分泌を抑える指示を出します。
その結果、甲状腺の機能が正常に機能しなくなって甲状腺機能亢進症の状態に陥り、さまざまな症状を引き起こしてしまうのです。
代謝機能が異常に高まる甲状腺機能亢進症は、食事面を工夫することで症状の改善が見込める場合があります。
甲状腺機能亢進症の改善のために、積極的に摂ったほうがいい食品、避けたほうがいい食品は以下のものです。
甲状腺機能の改善には、
を積極的に摂ったほうが良いとされています。
大豆、にんじんやホウレン草など緑黄色野菜でビタミンAを、玄米や全粒粉などの無精白穀物や大豆でビタミンB群を、牡蠣など魚介類やアーモンドなどから亜鉛を摂取しましょう。また、脱水症状が出ないように十分な水分摂取も心がけてください。
甲状腺ホルモンのもととなるヨードや、代謝促進の効果のある刺激物、化学物質、食品添加物の摂取は控えてください。
ヨードを多く含む海藻類、代謝促進効果のあるアルコール、唐辛子、カフェインなどを避けるようにしましょう。
甲状腺機能亢進症の人は、上でも述べたようにヨードや食品添加物などの摂取を極力控える必要があります。
ここでは、甲状腺機能亢進症の人に適した食事のレシピを3つご紹介しますのでぜひ試してみて下さい。
よくお出汁に使われる「昆布」はヨードを多く含むので、かつお出汁を活用するようにしましょう。かつお出汁を使えばお味噌汁も毎日楽しめます。
沸騰したお湯にたっぷりの鰹節を投入し、数秒で火を弱めます。5分ほど煮込んだらかつお節を濾して出汁の完成。お好みにカットした野菜を投入してよく煮込み、お味噌を溶かして完成です。
なお、お味噌にも昆布だしが混入されているタイプのものがあるので、お味噌を選ぶときには注意しましょう。
パンや手作り蒸し鶏などにはヨードが含まれていないので、ヨード制限の方にもおすすめです。
鳥のささみは良く蒸して火を通し、細かく手で割きます。そこにマヨネーズをと塩コショウを混ぜ合わせて味付けし、トーストした食パンに挟めば完成です。
食事制限中でもがっつりした食事を摂りたい人におすすめのレシピです。
生姜、ニンニクをすりおろし、しょうゆ、みりん、砂糖と混ぜて豚肉に絡め合わせます。十分に味をしみこませたらフライパンで焼いて完成です。
刻みキャベツなどの野菜と一緒に摂るとカロリーダウンにもなるので良いでしょう。
バセドウ病やプランマー病に代表される甲状腺機能亢進症の症状は、食事療法によって甲状腺の働きを正常に近づけることで、ある程度改善できます。医師や栄養士のアドバイスを受けながら実践してみましょう。