舌咽神経痛の主な治療法とリスクについて

2018/2/7

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

舌咽神経痛とは、食事のときに噛んだり飲み込んだりしたときに痛みが出る症状です。初期は薬物療法で治療が進められていきますが、薬で症状が抑えられなくなってくると手術が検討されることもあります。この記事では舌咽神経痛の治療と手術のリスクについて詳しく解説していきます。

舌咽神経痛とは?

 

舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)は、舌から喉、耳の周囲にかけての部分に、食べ物を噛んだり飲み込んだりするときに痛みを感じるようになる症状のことです。
舌咽神経とは舌の奥3分の1くらいから喉、鼓膜の一部にまで及ぶ神経のことで、この神経を周囲の血管や腫瘍が圧迫することで、痛みの症状が出ると考えられています。

食事のときや、あくびやくしゃみなど生理現象に対しても痛みを伴うようになるため、痛みが強くなるほど食事がとりにくくなり、患者が痩せて衰弱するのが特徴です。
比較的珍しい疾患で、中年の男性に多く発症する傾向があります。

舌咽神経痛はどうやって治療法していくの?

 

舌咽神経痛の治療法には、大きく分けて薬物治療と手術治療の2つがあります。

初期段階では、まず舌咽神経痛の特効薬と言われるテグレトール®(一般名カルバマゼピン)という薬剤を服用するのが一般的です。
痛みが強い場合はテグレトール®の量を増やして対応しますが、量を増やしても痛みが取れず、改善が見られない場合は、外科手術に踏み切ります。

手術は、開頭して神経を圧迫している血管を移動させて固定するもので、微小血管減圧術(びしょうけっかんげんあつじゅつ)という方法で行うのが一般的です。手術は、体の右側を下向きに横になった状態で、全身麻酔で3時間ほどかけて行われます。

手順としては、まず皮膚と筋肉を頭蓋骨から剥がして開頭し、さらに硬膜を切ってくも膜を剥がすと、舌咽神経と血管が見えてきます。
どの血管が舌咽神経を圧迫しているのかを確認したら、血管を動かせるように周りのくも膜を剥がして血管を移動し、手術用ののりで固定して縫合して処置は完了です。

手術のリスクと合併症について

 

舌咽神経をはじめ、顔と脳の周りには表情や聴力、視力などをつかさどる重要な筋肉と神経がたくさん通っています。舌咽神経痛の手術はある程度のリスクを伴うものであり、合併症が引き起こされる可能性はゼロではありません。

舌咽神経痛の手術の合併症としては、ものが二重に見える複視、聴力障害、脳の膨張や梗塞、一時的に飲み込みが悪くなる嚥下障害、声がかすれるなどが挙げられます。
他にも外科手術そのものに伴うリスクとして、全身麻酔による体への負担、独特の体位による体のしびれや違和感、傷口への感染症が起こる可能性もあります。

ただし、これらの合併症の頻度は少ないと言われています。
合併症を含め、不安なことは納得いくまで医師に確認してから、手術に臨むと良いでしょう。

おわりに:舌咽神経痛は投薬と外科手術で治せる!すぐに専門の医療機関を受診しよう

食事をはじめ、日常生活にも支障をきたすほどの辛い痛みを伴う舌神経痛は、発症自体が稀なので発見が遅れることもあります。ただし適切な治療を受ければ治すことができる病気です。飲み込むときに痛みを感じるなど、疑わしい症状があるときはすぐに医療機関を受診して、適切な治療を受けてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

関連記事

この記事に含まれるキーワード

嚥下障害(13) 脳梗塞(92) 舌咽神経痛(2) テグレトール(3) 微小血管減圧術(1) 複視(1) 聴力障害(3) 微小血管減圧術合併症(1)