AGAの治療薬とはどんなもの?効果はあるの?

2018/1/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

AGAとは、成人男性に起こる薄毛のことです。男性ホルモンの1種であるジヒロドテストステロンや5α-還元酵素が発症に大きく関わっていると考えられています。この記事では、AGAの治療薬と効果について詳しく解説しています。

AGAの薬物療法について

AGA(エージーエー)は「Androgenetic Alopecia」の略称で男性型脱毛症を意味します。数多くある脱毛タイプのひとつで、成人男性に多く見られ、男性ホルモン(ジヒロドテストステロン)が大きく関係しているといわれています。脱毛を防ぐためには、ジヒロドテストステロンの生成を抑制することが必要であり、進行を止めるには薬の服用を続けなければなりません。

一般病院での薄毛治療は、薬剤による男性型脱毛症の「進行遅延」であり、AGAによる抜け毛を止める治療です。髪を太く長く成長させて頭髪の密度を増やす、いわゆる「発毛」のためには、別途発毛治療を受ける必要があります。
発毛治療は、一人ひとりの薄毛の原因や生活環境に応じて、治療方法が異なります。そのため、専門クリニックでの総合的な治療が必要です。細かな検査に加え、薬剤(内服薬・外用薬)による薄毛治療とメンタルケア、食生活や生活習慣の指導などが挙げられます。

AGAの治療薬:①フィナステリド

日本国内で使用されているフィナステリド(製品名プロペシア®)は、「飲む毛生え薬」とも呼ばれる内服薬です。フィナステリドは世界60カ国以上で承認、販売され、使用者の90%以上で抜け毛の進行抑制や改善効果が認められたと報告されています。

AGAの多くは、男性ホルモンのテストステロンが酵素により変換されてできたホルモン、ジヒドロテストステロン(DHT)の働きに関係して起こりますが、フィナステリドは変換酵素5α-還元酵素(リアクターゼ)Ⅱ型の作用を妨げる働きがあります。その結果、AGAの原因となっているDHTの生成を抑えることができるのです。

ただし副作用として、性欲減退、勃起不全や精子数の減少といった男性機能低下、肝機能障害のおそれがあるため、医師からの処方箋が必要です。また特に妊娠中の女性が服用すると、胎児の発育に影響を及ぼす恐れがあるとされています。

AGAの治療薬:②ザガーロ®

AGAの原因物質であるDHTの産生を促す5α-還元酵素(リダクターゼ)」にはⅠ型とⅡ型があります。ザガーロ®はこのⅠ型とⅡ型の両方の働きを抑える事ができます。つまり、これまでⅡ型にしか作用しない薬剤では効果が得られなかった人も、ザガーロ®がⅠ型とⅡ型の両方に作用することで、治療効果を期待できるようになりました。

もっとも、薄毛の原因がⅡ型のみの場合、ザガーロ®を服用してもその効果はあまり期待できません。副作用はプロペシア®よりも同等、もしくはそれよりやや高い発生頻度とされています。
また、ザガーロ®にはまだジェネリック医薬品がありません(2016年10月時点)。薄毛の進行遅延が目的であればプロペシア®のジェネリックを服用することで、治療コストを抑えることもできます。

AGAの治療薬:③ミノキシジル

ミノキシジルは毛根部分の血管拡張を発揮する薬品成分として知られ、外用薬として市販薬も販売されています。
内服タイプのミノキシジルは効果を発揮する確率が非常に高いといわれ、医薬品としてはFDA(アメリカ食品医薬品局)が認可しており、個人輸入での入手が可能です。
ただし、ミノキシジルは血圧降下剤という心臓や血管系の薬品であった経緯から、使用に際してはフィナステリドよりも注意が必要です。心臓既往症(狭心症等)を持つ場合は使用すべきでなく、低血圧症の場合まれにめまい等が発生する可能性があるといった副作用が報告されています。

おわりに:専門医と相談しながら、自分にあった治療薬を選ぼう

進行性であるAGAの病状進行を抑制するには、フィナステリドをはじめ複数の治療薬の選択肢があります。どの治療法が良いのかは、効果や副作用について専門医師とよく相談することが必要です。また、未認可の薬の使用はリスクを伴い、何かトラブルが起こったときは自己責任になってしまいます。認可されている治療薬を使用することをおすすめします。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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