摂食障害の治療法・過食症の治し方

2017/3/21

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

“過食症”と聞くと、何をイメージしますか?
おそらく、「食べすぎ」「大食い」といったところでしょう。

しかし、 “過食症 = 大食い” では、ありません。
過食症の人に肥満はほとんどいません。標準体重以下の人がほとんどです。

“過食”であれば、どんどん肥満になるはずなのに、なぜ・・・
食欲がコントロールできないくらい過剰に食べているのに、なぜ・・・

それは、体重を増加させないために、過食後、意図的に嘔吐したり、絶食したりするからです。

強烈な不安感や自己嫌悪、卑下、うつなどから生じる、ただの「食べすぎ」とはまったく異なる心の病気、それが過食症なのです。

摂食障害・過食症について

摂食障害には、食欲不振である拒食症と大食いになる過食症があり、どちらも「自分は太っている」「痩せたい」という強迫観念に襲われ、拒食症は絶食に近い食事制限、過食症は嘔吐、下剤などで体重を維持しようとします。

過食症は、精神状態の不良・不調から来る摂食障害で、早期発見・早期治療が何よりも大切になります。

過食症は、拒食症と同様、以下のような症状も引き起こすリスクがあります。
・アルコール依存症
・うつ病
・自傷行為

過食症と浄化

摂食障害は、理想の体型・体重に対し、異常とも言えるこだわりを持っていることが関係しているといわれています。

たとえば、食物アレルギーを持つ人は、アレルギーを発症させないよう、特定の食物を食べないように食習慣を変える必要があります。

しかし、摂食障害の人は、食べ物、カロリー、脂肪、肥満に対して異常なほどの恐怖心を抱き、その感情的な苦痛に対処するために、食習慣を変えます。

そして、その恐怖心から、過食症の人は食べ過ぎて制御が利かなくなってしまう期間(過食)と、その後わざと吐いたり下剤を使って食べたものを外に出そうとする期間(浄化)を繰り返します。

過食によって体重が増えることを恐れ、食べ過ぎてしまったことに罪悪感を覚えるため、食べたものを外に出してゼロにしようとするのです。

過食症の兆候

過食症の兆候には、食べ物や食べることに対する嫌悪感・蔑視や、体重や体型を過度に気にすることが挙げられます。

また、食後に頻繁にトイレに行き、戻ってきたときに顔が紅潮し、指の関節に傷がある(指を喉に突っ込んで嘔吐するため)場合にも過食症のサインになります。

どのような人が過食症になりますか?

拒食症と同じく、女性のほうが男性よりも過食症になりやすい傾向があります。
最近の研究では、思春期の5人に1人の女性が潜在的に摂食障害を発症する危険性があると考えられています。

摂食障害の治療法

過食症を治す第一歩は、自分自身が問題を抱えているということを自覚することです。それから、医師や専門家に相談し、どのような治療が必要か話し合います。

過食症と疑われる人が周りにいるのであれば、しっかりと対話し、医師の診療を受けるよう、説得してください。

回復への第一歩は、症状を認識することと、回復したいと心から思う気持ちです。それから、認知行動療法プログラムや過食と嘔吐の衝動を抑える抗鬱剤を処方したりします。

自己啓発の本も、過食症の人に非常に効果的であるということがわかってきました。友人や家族が協力してくれれば、なお効果的です。

おわりに ~過食症の治し方~

過食症の治療には、投薬に加え、認知行動療法や対人関係療法を行ないます。心の病気であるため、メンタルのケアが欠かせないからです。過食症の特効薬は存在しないし、薬物治療だけでは過食症は治せないからです。

過食症を発症する人は、自己嫌悪・自己卑下の傾向があり、このネガティブ思考により、さらなる悪循環に陥ることが多くなります。

過食症は、完治させる治療法はないため、焦って短期間で治そうとしても、必ず失敗します。時間をかけて少しずつ、マイナスイメージをプラスの方向に変え、身体と心の両面から治癒に導いていきます。

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