鼻汁が止まらない・・・潜んでいるかもしれない病気とは?

2018/1/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

鼻汁(鼻水)は1日1リットルから2リットル程度、健康な状態であっても分泌されます。さらさらとして透明な鼻水であれば問題ありませんが、黄色や緑色で粘性があったり、いつまでも止まらない鼻水には注意が必要です。この記事では鼻水が出る原因となる病気を項目別にまとめて紹介しています。

鼻汁(鼻水)が出るのはどうして?

正常な鼻腔では、1日約1~2リットルの鼻汁が分泌され、鼻の中に入ったウイルスや細菌を体外へ押し出す役目を担っています。鼻汁の大部分は、吸った空気に湿気を与えるために使用され、残りは自然に飲み込まれます。

健康であれば鼻水は水のように透明でさらさらとしています。しかし感染やアレルギーなどによって、鼻汁は、漿液性、粘液性、膿性(または粘膿性)、血性、悪臭を伴う鼻汁などへと変化します。鼻汁の状態が変化する原因として、アレルギー性鼻炎、急性鼻炎、血管運動性鼻炎、慢性副鼻腔炎などが挙げられます。

鼻汁が止まらない・・・原因となり得る病気とは?

1)風邪

風邪の代表的な症状として、せきやくしゃみ、発熱などと並んで挙げられるのが鼻水です。風邪のウイルスが鼻に侵入すると、鼻の粘膜から鼻水がたくさん分泌されます。最初はさらさらとした透明な水っぱなですが、数日で粘性に変わり、通常は1週間程度で治っていきます。

2)アレルギー性鼻炎

アレルギーの原因になる抗原が、体内に侵入してアレルギー物質を作り、鼻の粘膜を刺激して鼻水(さらさらした水状)、鼻づまり、発作的なくしゃみの繰り返しを引き起こします。風邪の初期症状と酷似していますが、治療法が異なるので、適切な治療を受ける必要があります。花粉が飛散している時期に起こる季節性アレルギー性鼻炎と、ハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎に大別されます。

3)血管運動性(本態性)鼻炎

症状はアレルギー性鼻炎と似ていますが、アレルギー反応は検出されません。朝晩の気温差やストレスなど、主に環境面での刺激に対し過敏に鼻の粘膜が反応して、鼻水が続くことがあります。原因は明らかになっていませんが、環境の改善や慣れで克服することが可能です。

4)急性副鼻腔炎

風邪やアレルギー性鼻炎が原因で、細菌やウイルスが副鼻腔で繁殖し、副鼻腔内に「膿(うみ)」がたまることで起こります。始めはさらさらとした鼻水ですが、その後黄色や緑色で粘り気があり悪臭を帯びた鼻水に変化します。発熱や頭痛を伴い、炎症の広がり方によっては、目と目の間や、目の奥、ひたいや歯などに痛みがあらわれます。急性中耳炎や鼻性頭蓋といった合併症につながることもあります。

5)慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

ウイルスによる急性副鼻腔炎に細菌感染が加わり、慢性的に繰り返すことで起こります。鼻水は白っぽく粘り気を持ちます。風邪やアレルギー性鼻炎の場合は透明でサラサラとした鼻水が出るので、これが見分ける際のひとつのポイントとなります。粘性の鼻水は鼻から出るだけではなく、のどに回ることもあります(後鼻漏)。他にも鼻づまり、嗅覚障害や頭痛、口呼吸といった症状があらわれます。

思い当たる症状があったら、どう対処したら良い?

風邪による鼻水に対しては風邪薬が、またアレルギー性鼻炎の場合は、鼻炎用の内服薬や、速効性のあるスプレータイプなどが効果的とされます。
1週間以上続く鼻水や、黄色味の強い鼻水、粘りがあるような鼻水が長く続くような場合は、細菌の二次感染が加わり、慢性副鼻腔炎を発症している可能性もあります。気管支炎や肺炎に進行する可能性もあり、自然治癒は容易ではないため、症状の改善が見られない場合は早めに主治医か耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。

おわりに:いつもと違う鼻水が出たときは早めに耳鼻科に行こう

平常時と異なる色や粘り気のある鼻水は、病気の兆候となっている可能性があります。まぎらわしい症状の病気もあることから、鼻水の異常を発見したときは自己判断せず、長びくようであれば耳鼻科を受診しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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