記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/23 記事改定日: 2018/11/26
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
尿路結石とは、尿の通り道にできる結石によって激しい痛みなどの症状が現れる病気です。
こちらの記事では、なぜコーヒーや紅茶を飲むと尿路結石のリスクが上がるのがについて詳しく説明していきます。また、コーヒーを飲んでいる人が尿路結石を予防するにはどうすればいいかについても紹介していきます。
結石には、シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石、尿酸結石などいくつか種類があり、尿路結石うちの8割を占めるのがシュウ酸カルシウム結石とリン酸カルシウム結石です。
特にシュウ酸にはカルシウムと結合しやすい性質があります。本来シュウ酸は、腸の中でカルシウムと結びつけば便とともに排泄されるものです。しかし、動物性タンパク質やアルコール類などの過剰摂取により、体内でシュウ酸や尿酸などが増加すると、腸でカルシウムと結合できなかったシュウ酸が尿の中に出てくるようになります。尿の中でシュウ酸がカルシウムと結合すると、結石となって尿路を詰まらせてしまったり傷つけてしまったりするのです。
コーヒーや紅茶にはシュウ酸が含まれています。コーヒーを飲み過ぎることはシュウ酸の過剰摂取につながるため、尿路結石のリスクを高めると考えられるのです。
結石のほとんどはカルシウムを含み、カルシウムの過剰摂取は尿中のカルシウム排泄量を増加させることから、以前はカルシウムの摂取が尿路結石の原因のひとつとされ、カルシウム摂取は制限すべきとされていました。
しかし、近年カルシウムを多く摂取することが結石形成の抑制につながるという研究がアメリカで報告され、現在ではカルシウムを積極的に摂ることが推奨されています。
これは、十分な量のカルシウムがあれば、シュウ酸が腸でカルシウムと結合できるため、尿中に排出されにくくなるためです。
コーヒーや紅茶を飲む人が尿路結石を予防するには、牛乳を入れて飲むようにしましょう。牛乳に含まれるカルシウムがシュウ酸と結合して尿での排出されにくくなり、結石予防につながります。
尿路結石の代表的な症状として挙げられるのは、大人でも耐えられずに転げまわるといわれるほどの激しい痛み(疝痛発作)です。
わき腹や腰、背中、下腹部などに激痛が走り、3~4時間継続します。痛みは夜間から早朝に起こることが多く、数分おきに痛みが強くなったり少し弱くなったりといった強弱の波があることも特徴です。結石ができる部位によっては、血尿や頻尿、残尿感といった症状が見られることもあります。
結石ができる場所によっては痛みがでないこともありますが、痛みが出たときはとても苦しむことになります。そのためにも、コーヒーにミルクを入れるだけでなく、日頃から尿路結石の予防に励むことが大切なのです。
コーヒーや紅茶を日常的に多く飲んでいる人にとって、尿路結石を予防するためにコーヒーや紅茶を控えるのは難しいこともあるでしょう。
尿路結石の予防方法は、コーヒーや紅茶を控える以外にも、以下のように様々なものがありますので是非試してみましょう。
激しい痛みや血尿を伴う尿路結石の予防・再発防止のためには、十分な量のカルシウムの摂取が勧すすめられています。
併せて、シュウ酸多く含む食品の過剰摂取を避けたり、コーヒーなどシュウ酸を含む飲料を飲む際にはカルシウムを含むミルクを入れるなどの工夫をしたりするようにしましょう。
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