記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
亀頭包皮炎はペニスが炎症を起こす病気です。このため、性行為が原因で発症する病気だと思われていますが、それ以外の原因でも発症することがあります。この記事では、亀頭包皮炎の治療法について、原因とともに解説します。
亀頭包皮炎はペニスに症状が出る病気なので、性行為だけが感染原因だと思われていますが、実は性行為以外でも感染する可能性があります。
亀頭包皮炎を起こす原因は真菌や黄色ブドウ球菌、大腸菌などで、どれも普段から接触することの多い細菌です。これらの菌が小さな傷口から体内に入って炎症を起こすと、亀頭包皮炎を発症します。
また、不潔な状態が続くのも発症の原因となります。特に包茎があるとペニスが不潔な状態になりやすく、雑菌が繁殖しやすくなります。中には、体調不良で免疫力が低下している時に発症することもあります。このため、性行為以外でも亀頭包皮炎を発症することがあるのです。
亀頭包皮炎は、原因となる病原体によって大きく2つに分かれます。
まず、カンジダという真菌(いわゆるカビ)を原因とするカンジダ性亀頭包皮炎があります。カンジダは普段から体に存在していますが、性行為を行うと発症リスクが高まります。また、体の免疫力が落ちている時も、元々存在する真菌が原因で発症することがあります。
カンジダを代表とする真菌性の場合、赤みが出る、痒くなる、白い湿ったカスのようなものが出るといった症状があらわれます。一方、真菌以外の細菌が原因となって発症しているものを細菌性亀頭包皮炎といいます。真菌の場合のように、白いカスが出ることはありませんが、赤くなったり痛みが出ることは共通しています。さらにただれを起こしたり、ぶつぶつができたり、膿が出たりすることもあります。
カンジダ性亀頭包皮炎の場合、真菌に対して効果のある抗菌薬を使用します。主に塗り薬ですが、炎症を起こしている部位につけるため、刺激が強くなりすぎないようにクリームよりも軟膏タイプが適していることがあります。赤みやかゆみがある時は、抗菌薬に加えてステロイドが含まれている塗り薬を使うこともあります。
細菌性亀頭包皮炎の場合、治療では炎症を抑える抗生物質の内服薬や塗り薬を使用します。赤く腫れていたり、かゆみがある時などは、カンジダ性亀頭包皮炎と同じく、必要に応じてステロイドが含まれている塗り薬を使います。抗生物質とステロイドを同時に使用することもあります。どちらの場合も治療薬の効果の出方には個人差があるので、効果を見ながら量を調節します。
亀頭包皮炎は、免疫力によって自然に治癒することもありますが、症状がおさまったからといって完治したかどうかはわかりません。原因菌は体内にいるままなので、性行為を行うとパートナーに感染させてしまうリスクはまだある可能性があります。
症状が悪化すると、尿道が狭くなってしまう病気や、足の付け根のリンパ節が腫れる病気を引き起こすことがあります。ここまで炎症が広がってしまうと、完治するまでにかなりの時間を要します。さらに悪化すると、陰茎癌の原因となってしまうこともあります。
このような状態にならないためにも、病院で診てもらい、しっかりと治療することが大切です。症状があらわれた場合には、なるべく早く病院に行きましょう。
亀頭包皮炎は、カンジダ性か細菌性かによって治療法が異なります。ただ、いずれの場合も自然に治るのを待つのではなく、病院で診察を受けて適切な治療を受けることが大切です。