貧血だと氷をよく食べるようになる!?その理由は?

2018/1/24 記事改定日: 2018/4/6
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

特に暑い季節でもないのに、氷を食べるのが癖になってしまっていませんか?もしかしたらそれは貧血が原因による行動かもしれません。今回の記事では、貧血だと氷を食べる理由や治療法などを解説します。

貧血だと氷を食べるようになるって本当?

体内の鉄分が欠乏し、貧血状態になると無性に氷が食べたくなる「氷食症」を引き起こすことがあると言われています。「氷食症」とは異食症(文化的・社会的な背景とは関わらず、食べ物ではないものを食べてしまう病気)の一種で、文字通り氷をたくさん食べてしまう病気であり、季節に関係なく大量の氷(目安として、製氷皿1杯以上と言われています)を食べるのが特徴です。

この氷食症が進行すると、鉄欠乏性貧血を発症すると言われています。鉄欠乏性貧血になると、ヘモグロビン(血中に酸素を運ぶ役割を担う)に含まれる鉄分が少なくなり、酸素を運ぶのがスムーズにいかなくなった結果、動悸や息切れ、めまい、顔の血色が悪くなるといった症状以外に、爪がボロボロになる、舌が染みるようになるといった特徴的な症状も見られることがあります。

なぜ貧血だと氷を食べるようになるの?

鉄欠乏性貧血になると、氷だけでなく土も食べるようになる(土食症という異食症の一種です)ことがあるのですが、なぜ鉄分が不足するとこれらのものが食べたくなるのかは、わかっていません。

ただ現状では、貧血による赤血球の量と機能低下で体内の酸素が不足し、自律神経が乱れたことで体温調節がうまくいかなくなり、口の中の温度が上がったことで、氷を食べて口の中を冷やそうとするのではないかと考えられています。また、鉄分が不足したことで食の嗜好が変わり、氷を食べたくなるという説もあります。

ちなみに、「氷を食べることで血液が薄まったために貧血になる」という説もありますが、因果関係が証明されておらず、信ぴょう性は高くありません。

氷食症は治療できるの?

鉄欠乏性貧血が氷食症の原因と考えられる場合、鉄剤を服用すると症状が改善することがあります。病院で血液検査を受けると、ヘモグロビンの濃度や貧血の有無がわかります。鉄剤を服用して鉄欠乏性貧血が改善すると、氷を食べたくなる衝動は和らぐことがほとんどです。

鉄剤を服用すると、倦怠感や吐き気といった副作用が出ることがありますが、こうした症状は一時的なものです。内服をやめれば改善されるので、安心して治療できると言えます。

氷を食べる以外の症状も!異食症について

異食症自体は、危険なものを食べなければ社会生活に影響を及ぼさない病気ですが、中には毛や粘土といった消化しにくいものや、塗料のように毒素が含まれるものを食べてしまうケースもあります。この場合は、消化管がつまって中毒症状を起こす恐れがあります。また、精神的なもので異食症を発症することもあるので、症状だけでなく、生活全体を見直すことが大切です。

おわりに:貧血の症状を治せば氷食症が改善することも

暑いわけでもないのに製氷皿の氷を大量に食べてしまう氷食症は、鉄欠乏性貧血が原因で発症することがあると言われています。もし、冬でも氷を大量に食べてしまうといった症状がみられたら、念のため血液検査を受けて貧血になっていないかを調べてもらいましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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