デング熱を予防するには、どんな対策は必要なの?

2018/1/26 記事改定日: 2019/6/3
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

デング熱は蚊を媒介にして人に感染する病気で、発熱から全身の痛みや発疹などが現れます。日本国内で感染するリスクは低い病気ですが、流行している国に滞在する場合は注意が必要です。
この記事では、デング熱の症状や対処法、予防法について解説します。

デング熱ってどんな病気?

デング熱は、デングウイルスによって生じる病気で、ヤブカ属のネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊によって人体にうつることが多いです。

ネッタイシマカ・ヒトスジシマカは熱帯・亜熱帯地方に生息しているため、日本で感染する可能性は極めて低いのですが、デング熱が多い地域に滞在したり、飛行機の中に迷い込んだ蚊によって感染したりする可能性もあるため注意が必要です。

症状

デング熱は、潜伏期間が2~15日ほどあるとされています。

初期症状として38度から40度の高熱があり、この状態は2~7日ほど続きます。発熱からしばらく経つと、全身の筋肉痛や関節痛、倦怠感などが生じ、その後、発疹が胸部・体幹から手足などに広がります。

命を失うようなことはほとんどありませんが、ごくまれに重篤な症状に陥り、死に至ることがあります。

デング熱はどうやって予防すればいいの?

デング熱には、ワクチンや特効薬がありません。そのため予防には、デング熱が流行している熱帯・亜熱帯地方に滞在するときに「蚊に刺されないように身を守る」ことが大切です。

流行地域では都市部でも蚊が多く昼間に活発に動く蚊もいるため

  • 長そでや長ズボンを着用する
  • 蚊を寄せ付けにくい明るめの色の衣服を着る
  • 手足や首などに虫さされ予防スプレーをかける

ようにしましょう。

部屋の中で滞在する際は、エアコンなどを利用して密閉空間を作るようにしてほしいのですが、難しいときは網戸などが整っている場所に滞在するようにしてください。

また、水たまりや屋外にあるタイヤにたまっている水などは、蚊が繁殖しやすい場所なので、なるべく避けて移動するようにしましょう。
最近では、通気性が良い防虫ウェアも開発されており、一般販売もされています。暑い場所で快適に過ごせるよう、こうした専用のウェアを着用することも予防につながります。

デング熱の流行地域

デング熱は温暖でカが生息しやすい地域で流行しやすく、アフリカやアメリカ、南米、東南アジアなどの広い範囲で流行が見られます。

しかし、近年、デング熱は日本でも夏になるとこれらの地域への渡航歴がない人でも発症する例が見られるようになっています。流行地域に渡航した際はもちろんのこと、夏場は国内であっても感染の可能性があると考えて適切な対策を行う必要があります。

デング熱はどうやって治療するの?

デング熱に特別な治療方法はありません。そのため、発熱や発疹がみられたら対処療法を行います。
ただし、デング熱を発症すると血小板が少なくなる傾向があるのでアスピリン等のサリチル酸系の解熱鎮痛剤を使用すると出血するリスクがあります。
治療時にはアセトアミノフェンを配合した解熱鎮痛剤を使うのが一般的です。

自宅で療養するときは経口補水療法で体内の水分や電解質が不足しないように対処していき、入院する場合は、点滴静脈注射や輸血などを行うこともあります。(経鼻挿管や筋肉内注射は出血のリスクがあるため、通常は行いません)
また、排尿を促して体内の水分を循環しやすくするために、利尿剤を併用して治療することもあります。

おわりに:まだデング熱のワクチンはない。身を守る工夫が予防の点で重要

今のところ、デング熱のワクチンはまだ開発されていません。もし熱帯・亜熱帯地方に滞在する場合は、蚊に刺されないよう、肌を守る服装や環境で過ごすようにしましょう。

この記事に含まれるキーワード

旅行(11) 蚊(10) 海外旅行(14) デング熱(3) 熱帯・亜熱帯地方(1)