心筋炎に合併する心タンポナーデって、どんな状態のこと?

2018/2/2 記事改定日: 2019/1/28
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心膜炎とは、心臓を包んでいる心膜に炎症が起こる病気で、心膜液が溜まり、胸痛などの症状が現れます。
この記事では心膜炎の症状と原因、合併症である心筋炎と心タンポナーデについて紹介しています。

心膜炎とは

心膜とは、心臓を二重に包んでいる膜のことです。二枚の心膜の間には膜からつくられる少量の心膜液があり、心臓が動くときの摩擦を軽減する役割を担っています。
心膜炎とは、この膜に炎症が起こる病気です。

心膜腔に通常より多い心膜液が貯留することが特徴であり、炎症により発熱することもあります。
心膜は神経が豊富なので発熱後は針で刺されたような胸の痛みを感じるようになります。

狭心症発作と間違われることもありますが、心膜炎は咳や呼吸で痛みが増強するという特徴があり、仰向けよりも坐位や前傾姿勢をとると痛みが楽になることも大きな特徴です。

原因

心膜炎の原因には

  • ウイルスや細菌
  • 寄生虫などの感染
  • 心臓発作
  • 心臓手術
  • 全身性エリテマトーデス
  • 関節リウマチ
  • 腎不全
  • 胸部外傷
  • 白血病
  • 乳がん、肺がんなどのがん
  • リウマチ熱
  • 放射線療法
  • 抗凝固薬などの薬剤

などがあります。

ただし、特発性心膜炎や非特異的心膜炎のように直接的な心膜炎の原因がわからない場合もあります。

心膜炎の合併症、心タンポナーデとは?

心タンポナーデとは、心膜と心臓の間にできる空間「心嚢」に過剰な液体がたまる病気です。

心臓が液体によって圧迫されるため、正常な心収縮が行えず、全身に十分な血液を送り出すことができなくなって心臓には全身から戻ってきた血液が溜まる状態になります。
その結果、全身に酸素が行き渡らなくなり、急激な心不全や心破裂など重篤な症状を引き起こして死に至る可能性が高い重篤な病気といえます。

心膜炎では心膜に炎症が生じることで、心膜から浸出液などが分泌され重症化すると心タンポナーデを引き起こすことがあります。
心膜炎を発症している際に見られる息切れや止まらない咳、呼吸苦などは心タンポナーデのサインですので、休日・夜間を問わず速やかに病院を受診するようにしましょう。

おわりに:重症化を防ぐためにも、早期治療を心がけよう

心膜炎とは、微生物感染や病気、薬剤などの影響が原因で発症します。狭心症発作と似た症状が現れますが、痛みの増強因子や痛みの軽減姿勢に違いがあるので、正しく理解しておきましょう。

そして心筋炎や心タンポナーデを合併すると、さらに重篤な症状に発展するおそれがあります。適切な治療のタイミングを逃さないためにも、疑わしい症状があるときは早めに受診し、定期健診を忘れずに受け早期発見、早期治療に備えるようにしてください。

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