記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/1/31
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
息が臭いと悩んでいる人もいるかもしれません。この記事では、口臭の原因と改善方法を紹介していますので、悩んでいる人は参考にしてください。漢方薬の効果についても解説しているので、興味がある人は試してみましょう。
口臭は5つに分けることができます。
一つめ、生理的口臭は、誰にでもある臭いですが、起床直後、空腹時、緊張時には臭いが強まります。病的口臭ではないので常に周囲の人に影響があるわけではありあませんが、不快になることもあるでしょう。女性の生理、妊娠時などホルモンバランス変化に伴う口臭や、乳幼児期、思春期などそれぞれの年代固有の口臭もあります。
二つめは飲食物や嗜好品による口臭です。ニンニク、酒、タバコなど一時的な臭いで時間の経過によって無くなります。
三つめは、病的口臭です。鼻やのど、呼吸器、消化器の病気や糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こることがあります。病的口臭のほとんどは原因が口の中にあるとされています。代表的なものは歯周病や虫歯などです。病気の治療をすることで口臭を減らしたり、治したりすることができます。
四つめは、ストレスによる口臭です。唾液の量が少なくなると口臭がします。
五つめは、心理的口臭です。自分自身で、強い口臭がすると思い込む人がいます。
口臭が気になったときは、口内体操で唾液の分泌を促しましょう。口や舌を動かすことで唾液の分泌量が増えます。「パピプペポ」の発音を繰り返すのも効果があるといわれています。口臭予防効果のあるガムやスプレーを活用することもおすすめです。外出先やオフィスなど、口臭が気になるけれど歯磨きができないなどの状況の場合には、利用してみてください。
それでも口臭がおさまらないと感じていたり、気になるという場合には、病院を受診することをおすすめします。一度口臭が気になるとコミュニケーションを取ることに消極的になってしまうこともあります。適切な治療をしたり、思い込みを軽減することも大切です。歯科医院の中には、口臭外来を設けているところもあるので、相談してみてはいかがでしょうか。
また、基本的な対策になりますが、口臭予防は正しい歯磨きが重要です。歯の裏側や奥歯、前歯など1本ずつ丁寧に磨き、毛先が歯周ポケットに入るように小刻みに横方向にブラッシングしましょう。
東洋医学では、ドロドロ血型の口臭には桂枝茯苓丸や、血府逐瘀湯、芎帰調血飲などが効果があるといわれています。乾燥型の口臭には麦門冬湯、清心蓮子飲、滋陰降火湯など、口の中がねっとりしている場合の口臭には茯苓飲、半夏厚朴湯、竹茹温胆湯が推奨されています。熱を帯びやすい人の口臭は、黄連解毒湯、温清飲、排膿散及湯、反対に冷えが強く疲労が溜まりやすい人の口臭は、六君子湯、補中益気湯、十全大補湯などが効果的とされています。
口臭の多くは、歯周病や虫歯、オーラルケアが行き届いていないなどが原因だといわれています。正しい歯みがきを徹底し、定期的に歯科医院に通院してお口の中の健康維持に努めましょう。また、口臭外来がある歯科医院もあるので、悩んでいる人は相談してみることをおすすめします。歯科医院で相談してみて、原因がお口の中ではないと判断された場合は、何らかの病気が隠れている可能性もあります。歯科医と相談しながら適切な対処をとるようにしましょう。