座り仕事・立ち仕事、坐骨神経痛になりやすいのはどっち?

2018/1/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

坐骨神経痛になると、下半身のしびれや痛みが出てきます。この記事では、坐骨神経痛を招く原因とともに、対処法について解説します。

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座り仕事、立ち仕事の坐骨神経痛を引き起こす要因とは?

坐骨神経痛の症状は、下半身の痛みやしびれです。悩んでいる方の多くは、仕事などで長時間同じ体勢をしている事が多いです。坐骨神経痛の要因は、筋肉伸縮のバランスが崩れた状態が続いた結果、骨盤の歪みを引き起こすことです。特に、片側だけに重心をかけた体勢が続くと腰痛や坐骨神経痛を招きます。
座り仕事の場合、椅子に座る時間が長いため、神経を圧迫して血流の流れを悪くします。これも、坐骨神経痛を誘発しやすい原因です。こまめに動いたり、1時間に1回は立ち上がったりして、足腰にかかる負担を減らしましょう。
立ち仕事の場合も、長時間立ち続けると腰に負担がかかります。また、筋肉の緊張状態が続くため、神経が圧迫された状態が多くなって足腰に悪影響を及ぼします。頻繁に重心をかけ方を変えるなどして、一方だけに負担がかかないようにしましょう。

対処法①:腰痛ベルト、コルセット、骨盤ベルトの使用

腰をサポートするベルトは腰全体に適度な圧迫感を与えるので、腰周りの筋力をサポートしながら正しい姿勢を維持できるようになります。また、腰周りの保温効果で、痛みがある部分が冷えるのを予防する効果もあります。
日常生活でベルトを身に付ける場合、できれば4~5時間の使用にとどめるのが望ましいです。ベルトに頼りすぎてしまうと、かえって腰周りの筋力を低下させる恐れがあるからです。予防目的で使う場合は痛みを最小限に抑えたベルトを選び、サポート力が強くないものを選ぶと良いでしょう。
仕事中に使用する場合は、動いてもズレにくいものや邪魔にならないもの、通気性が良いものを選ぶと、仕事中に気になることが少なくなります。

対処法②:運動で健康な身体を作る

症状が軽度なら、軽めの運動で症状の改善や予防ができます。ただし、痛みが強い場合は無理をせず、医師の指示にしたがってください。
年齢に関係なくできるおすすめの運動はストレッチです。背骨の筋肉をゆっくり伸ばして、緊張をほぐすだけでも効果があります。これは、椎間板や脊柱管の負担を軽くする運動にもなります。
水中ウォーキングは、わずかな水圧でもマッサージ効果を期待できます。また、血液の循環やリンパの流れを良くしてくれる効果もあります。水中に入ると体が重く感じるので早く動こうとしがちですが、筋肉に負荷がかかるため、かえって腰椎に負担がかかってしまう恐れがあります。水中ウォーキングを行う際は、ゆっくり歩くように気をつけましょう。

予防は毎日の積み重ねが大切

坐骨神経痛は、日々の生活で気をつけるだけでも予防することができます。特に仕事中で注意したいのは、中腰の姿勢で、急に重い荷物を持つことです。また、体重が重いと腰への負担も多くなります。減量して腰への負担を減らせば、坐骨神経痛を発症しにくくなります。
外出するときはカバンを持つ手を交互に変え、片側だけに重心が傾くのを防ぎましょう。左右均等にカバンを持てば、体の歪みを調整することもできます。また、左右均等に体重をかけることも大切です。

おわりに:正しい姿勢と適度な運動で、坐骨神経痛の症状を緩和・予防しよう

坐骨神経痛は、長時間同じ姿勢が続くと発症しやすくなります。こまめに体を動かすのはもちろん、正しい姿勢を心がけたり、ストレッチで筋肉をほぐしたりして、症状の緩和・予防を心がけましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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