先端巨大症の合併症とリスクについて

2018/1/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

先端巨大症は、成長ホルモンの異常放出によって手足の先が極端に大きくなってしまう症状です。この症状があらわれると、糖尿病や高血圧といった合併症を併発するリスクが高くなると言われていますが、それはなぜなのでしょうか。この記事で原因や対処法を解説します。

先端巨大症の特徴的な症状

先端巨大症は、成長ホルモンが通常よりもたくさん出ることで、手足が異常に大きくなってしまう病気です。この病気を発症すると、身長の変化がないのに手が大きくなって指輪が入らなくなったり、足が大きくなって普段履いていた靴が入らなくなったりします。顔の変化として、眉のあたりが突き出てきたり、あごが大きくなって前に付き出て受け口になったりすることが挙げられます。また、舌も大きくなるといびきをかきやすくなりますし、声帯が太くなると声が低くなったりします。

先端巨大症の合併症とそのリスク

先端巨大症を発症した人は、健康な人と比べて死亡リスクが2~3倍も高く、寿命も約10年短くなると言われています。これは、先端巨大症を発症すると、高血圧や糖尿病といった合併症を引き起こしやすくなることと関係しています。高血圧も糖尿病も血管に影響を及ぼす病気のため、心筋梗塞や脳梗塞など、血管に関係している病気の発症リスクが高くなります。これらの病気は、場合によっては命に危険が及ぶことがあるため、先端巨大症の人は死亡リスクが高くなるのです。

食事・運動療法を取り入れることも大切

高血圧も糖尿病も、日常生活の過ごし方が病状の程度に影響を与えます。特に食事と運動との関係は深く、適切な生活を心がければ進行を抑えられることがあります。
食事は腹八分目を心がけ、食べすぎないように気をつけます。栄養バランスのとれた食事を意識して、塩分の摂り過ぎにも注意しましょう。運動は、できれば毎日定期的に行うのが効果的です。特に、有酸素運動のように強度の低いものを30分以上続けるのがおすすめです。

合併症の種類

 

糖尿病は、先端巨大症の人に最もよく起こる合併症です。これは成長ホルモンが過剰に分泌されるために、インスリンの効きが悪くなるために起こります。
次に多い合併症は高血圧で、電解質の再吸収が促進されることで起こります。電解質の中に塩分も含まれているので、再吸収で量が増えると血中の塩分濃度も上がり、その結果高血圧を招くのです。
そして、脂質異常症も先端巨大症の人に多くみられる合併症です。通常よりも成長ホルモンが多く分泌されるため、糖の利用が抑えられる一方で、脂肪を利用するために肝臓での脂質合成が盛んになることで発症します。
上記のほか、脳血管障害、悪性腫瘍、虚血性心疾患も合併症となることがあります。

合併症の検査

先端巨大症を発症した場合、合併症があるかどうかを調べる検査として、糖尿病に関しては血液検査で血糖値やHbA1cを調べ、高血圧の有無は血圧測定で確認します。
脂質異常症の有無を調べる場合、糖尿病と同じく血液検査を行って中性脂肪やLDLコレステロール、HDLコレステロールの値を調べます。
脳血管障害はCTやMRIといった画像検査で調べます。
先端巨大症の合併症として悪性腫瘍がみられる場合は大腸がんの発生が多いため、便潜血検査や、必要に応じて大腸の内視鏡検査を行います。
虚血性心疾患の場合は、心電図をとって合併症の有無を調べます。

おわりに:先端巨大症を発症すると、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった合併症のリスクが高まる

先端巨大症は手や足などが大きくなってしまう病気ですが、何より怖いのは糖尿病や高血圧といった合併症を併発しやすいことです。先端巨大症の症状がみられたら、食事を改善したり、定期的な運動を心がけたりして、合併症を予防しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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