骨粗鬆症予防の食事 ― 骨を丈夫にするためのおすすめレシピ

2018/1/26 記事改定日: 2018/5/16
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

骨粗鬆症とは、骨密度が低下して骨がもろくなることです。高齢者の女性の発症率が高く、発症するとちょっとした転倒でも骨折してしまう場合もあります。この記事では骨粗鬆症の予防に役立つ食事について解説しています。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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骨粗鬆症の食事は、カルシウムとビタミンDが大切!!

骨粗鬆症とは、骨がもろくなり、強度が低下することで骨折しやすくなる病気です。そのため骨粗鬆症になると、日常のちょっとした動作でも骨折してしまうことがあります。主な原因としては、骨を作るために必要な栄養素であるカルシウムやマグネシウムの不足、カルシウムの吸収に必要なビタミンの不足が影響すると考えられています。

カルシウム

骨の主成分はカルシウムです。カルシウムが不足すると、骨の組織がスカスカになってしまいます。骨は新しい骨を作る働き(骨形成)と古い骨を壊す働き(骨吸収)を繰り返すことで骨を作り変えています。カルシウムが不足すると骨吸収が骨形成を上回ってしまうために、骨がもろくなってしまうのです。
骨粗鬆症の予防のためには、カルシウムの摂取量が不足しないように注意し、1日3回規則正しく栄養バランスのとれた食生活を実践しましょう。

ビタミンD・マグネシウム・リン

ビタミンDも骨形成において、非常に重要な栄養素です。ビタミンDは小腸でカルシウムの吸収をサポートする働きがあります。
さらにマグネシウムやリン、タンパク質などもカルシウムの吸収をサポートしてくれるといわれています。

骨粗鬆症の予防には運動も大切!

さらに、運動不足も骨粗鬆症の原因となります。これは運動しないと骨に適切な負荷がかからず、負荷がかからないと骨を作り出すために必要なカルシウムの利用効率が低下するからです。

どんな運動がおすすめ?

適度な運動は骨密度を維持する効果があるだけでなく、筋肉の強化にもつながり転倒やケガによる骨折を予防する効果も期待できます。
しかし、骨粗鬆症のリスクがある人はどんな運動でも推奨できるわけではありません。転倒やケガのリスクが少なく、心臓などに過度な負担がかからない有酸素運動がおすすめです。ゆっくりとした足取りで行うウォーキングや水泳、自宅でのサイクリングマシーンなどがよいとされています。

骨粗鬆症の人の骨折は寝たきりの原因になることも!

骨粗鬆症の人が骨折しやすくなる部位としては、背骨、手首、脚の付け根、腕の付け根などが挙げられます。背骨については、もろくなった骨が体の重みでつぶれたり、割れるように骨折してしまいます。単なる腰痛と見過ごしてしまう場合もありますので、少しでも腰が気になったら早めに病院を受診するようにしましょう。

また、手首や脚の付け根については、転倒した際に骨折してしまうことがあります。特に脚の付け根の骨折は、歩行が困難になり、寝たきりの原因になってしまうので注意が必要です。

おすすめの食材と避けた方がいい食材は?

カルシウムを多く含む食品としては、牛乳、ヨーグルトといった乳製品が挙げられます。また、納豆、豆腐といった大豆製品や、小魚や小松菜もカルシウムが豊富です。
カルシウムはビタミンDを一緒に摂取することで吸収効率が上がるので積極的に取り入れましょう。ビタミンDが豊富な食品としては、サケ、ウナギ、サンマ、シイタケ、キクラゲ、卵などが挙げられます。

一方で、避けた方がよい食事内容としては、スナック菓子やインスタント食品を頻繁に摂ったり、アルコールやカフェインの多量摂取があります。

骨粗鬆症の予防に役立つおすすめレシピ

骨粗鬆症予防に最も大切な栄養素はカルシウムですが、カルシウムの吸収を促進するビタミンDも一緒に摂ることでその効果はさらにアップします。ここでは、骨粗鬆症におすすめのレシピを3つご紹介します。

シラスとオクラの和え物

シラスにはカルシウムとビタミンDが豊富に含まれています。しかし、一度に大量のシラスを食べるのは難しいでしょう。そこでおすすめなのはネバネバ成分がたくさん含まれたおくらと和えて一緒に食べるということです。
オクラは軽く塩ゆでし、適当な大きさに切ります。これにシラスをたっぷり投入し、しょう油と鰹節で味付けしてよく混ぜ合わせたら完成です。

小松菜とシイタケのウナギ和え

小松菜と干しシイタケにはカルシウムが豊富に含まれており、これにビタミンDの宝庫であるウナギを投入すれば骨粗鬆症対策に最強の一品が完成します。
しいたけは干しシイタケを使い、お湯でしっかり戻します。干しシイタケをもどした汁は捨てずにとっておきましょう。小松菜は軽く塩ゆでして一口大に切り、戻した干しシイタケに市販のウナギのかば焼きを刻んで入れて混ぜ合わせます。味付けはシイタケの戻し汁と醤油、みりんなどをあわせてお好みで調節してください。
ウナギを入れることでメインの一品にもなる豪華メニューです。

小松菜スムージー

手軽にカルシウムとビタミンDを摂るに、小松菜をスムージーにして朝食のお供にしてみてはいかがでしょうか。
小松菜、バナナ、牛乳をミキサーに入れて数分間攪拌するだけの簡単レシピです。バナナの甘みだけで十分ですが、物足りない場合や砂糖やはちみつを加えましょう。
カルシウムもビタミンDも簡単に摂れるおすすめドリンクです。

おわりに:規則正しい食生活で骨粗鬆症対策を

骨粗鬆症を発症して骨折してしまうと、寝たきりになってしまう場合があります。寝たきりになってしまうと、健康的な生活を送ることが難しくなり、場合によっては介護が必要になってしまいます。介護が必要になると本人だけでなく、家族にも負担がかかります。骨粗鬆症を予防するには、カルシウム不足に注意しながらバランスのとれた規則正しい食生活を送れるように心がけましょう。

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