白板症ががん化する可能性があるって本当?

2018/2/5 記事改定日: 2019/6/7
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

白板症とは、歯茎や舌の側面、頬の内側にある粘膜が白く濁ったような状態になる症状です。自覚症状がないことが多いものですが、放置するとがん化することがあると言われています。どのような場合にがん化してしまうのでしょうか。さっそく解説したいと思います。

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白板症はどんな病気?

口の中の粘膜が、白く濁ったような状態になる症状が白板症です。板のように見えたり、まだらになったり、粘膜がただれて赤くなったりすることもあります。触ると痛みを感じたり、食べ物がしみたりしますが、自覚症状がないことも多く、発見が遅れがちです。舌にできる苔とは違って、こすっても取れないのが特徴です。

白板症は歯茎や舌の側面、頬の内側の粘膜に好発しますが、上顎の内側などにできることもあります。

  • 合わない入れ歯や歯並びによる慢性的な刺激
  • 飲酒や喫煙やビタミンAの不足

などが原因とされていて、女性よりも男性の発症率が高く、特に40代以上に多い病気です。

白板症のチェック方法

白板症では、次のような症状や変化が現れます。白板症はがん化することもありますので、当てはまる項目が多い場合はできるだけ早めに病院を受診して、検査・治療を受けるようにしましょう。

  • 舌の辺縁や歯茎、口腔底などの一部に白い斑状の膜ができる
  • なかなか治らない口内炎ができる
  • 飲食の際に病変部に痛みやしみが生じる
  • 舌を動かしにくくなる
  • 味覚の変化を生じる

白板症ががん化する可能性はあるの?

白板症は悪性化する可能性があり、約5~10%の確率でがんになると考えられています。

ただ、白板症でも、がんになりやすい形態とそうでない形態があります。
白板症のうち平坦型、ひだ状型、波状型などは比較的がん化しにくく、反対に紅斑ができたり、びらんや潰瘍ができていたり、境界が不明確な場合はがん化しやすいと言われています。
また発生する部分によってもがん化率が異なり、舌縁部や頬の内側に発生した白板症はがんになりやすいと考えられています。

白板症だけなら放置しておいても大きな問題はなく、手術までして取り除く必要はないというのが一般的な考え方です。リスクが高いと判断された場合は、状態にあった治療が必要になります。

がん化の可能性がある白板症の治療方法は?

がんになってしまうと最終的には舌の切除が必要になることもあるので、がん化のリスクが高い白板症についてはできるだけ早く治療することが大切です。

治療法として

刺激除去法
原因となっている刺激を除去する治療法
ビタミンA補充法
凍結法
レーザー法

などがあります。放射線治療は人体への悪影響が大きいので、あまり採用されていません。

刺激除去法やビタミンA補充法だけでも白板症が自然に消滅することがあり、凍結法やレーザー法は比較的安全に病変部を取り除けます。ただ、病理組織検査ができないため、悪性かどうかの判定ができません。
現在では外科的手術で切除するのが最も確実で、再発率も低いとされています。

おわりに:歯磨きのときに口の中をチェックしよう

白板症は、できた場所や形によってがん化する可能性があります。自覚症状がないことも多い症状ですので、歯を磨いているときに症状が出ていないかをこまめにチェックし、気になる症状があれば病院で診てもらいましょう。

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入れ歯(10) ビタミンA(12) 白板症(4) 歯並び(3) 刺激除去法(1) ビタミンA補充法(1)