筋力をアップさせて変形性関節症を防ごう!

2018/2/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

変形性関節症は、関節の間にある軟骨がすり減ってしまったために痛みが出てくる症状です。加齢に伴ってあらわれやすい症状ですが、症状を予防したり、進行を遅らせたりすることはできるのでしょうか。この記事で解説いたします。

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変形性関節症はどのような病気か?

変形性関節症は、関節の間にある軟骨がすり減って骨の動きがスムーズに行えなくなったために、関節に痛みが出たり、水が溜まったりする症状です。この病気は体のさまざまな関節で発症する可能性がありますが、特に負荷が大きくかかる膝や股関節、背骨の腰の部分にある脊椎で多く起こります。変形性関節症は、始めは症状が軽いために放置する人が多いのですが、症状が進むと関節の変形を起こすことがあります。変形してしまった関節は元には戻らないため、悪化する前に予防することが重要です。

変形性関節症を防ぐ訓練&ケア方法

変形関節症の症状がひどくなると、最終的には日常生活で不都合が出るようになり、関節の向きを変えて負荷がかかる部分を移動させる手術を行ったり、人工の骨に置き換える手術をしたりする必要が出てきます。このため、手術が必要なほど関節が変形してしまう前に予防的に筋力トレーニングを行うと、症状の進行を遅らせることができます。
太ももの前面を鍛えるトレーニング法として、あお向けになって片方の足を伸ばし、膝を動かさないようにして足首を10cmほど持ち上げる運動があります。また、平坦な道をウォーキングするのもおすすめです。アップダウンが激しい場所だと膝を痛めてしまうことがあるので注意しましょう。またO脚になってしまった場合は、膝関節の同じ場所にばかり負荷がかかることを防ぐため、インソールを使うことも効果的です。

変形性関節症になったら、進行を抑えることが大切

筋肉量は年齢と共に減少していくので、変形性関節症を進行させないために、意識して筋肉を維持することが必要です。変形性関節症は年齢が上がるにつれて発症する人が多くなり、筋力の低下があると症状の進行が早くなりがちです。関節の痛みが出るようになると、筋力トレーニングを行おうと思っても痛みが邪魔をして思うように動けなくなります。変形性関節症を発症しても、最初は症状が重くないからまだ大丈夫だと油断してしまう人が多いのですが、症状がひどくならないように進行を抑えることが重要です。体を十分に動かせるうちから筋力トレーニングを始めると、手術をしないと変形性関節症が治らない、という状況を防ぐことができます。

どんなトレーニング方法があるの?

変形性関節症を発症した場合のトレーニング方法としてジョギングがありますが、今まで全く運動をしてこなかった人が急にジョギングを始めると、体への負担が大きいためケガをしてしまう可能性があります。運動に慣れていない人は、ウォーキングなど、体への負担が少ないものから始め、体が慣れてきてからジョギングなどを始めるようにしましょう。特に、膝を痛める人が多いので膝の症状には注意しながらトレーニングを行ってください。
もうひとつ大切なことは、クッション性に優れたシューズを使用するということです。シューズのクッション性が、膝の軟骨の代わりに体への負担を和らげてくれます。

おわりに:早い段階からトレーニングをして、痛みがひどくなるのを防ごう

変形性関節症は、初期症状の段階でトレーニングを始めれば、症状の進行を遅らせることができます。筋力トレーニングやウォーキングなど、無理のないところから始めてみてください。

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