そののどの痛み、風邪や急性咽頭炎ではなく性病の可能性がある!?

2018/2/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

のどが痛くなったとき、まっ先に思い浮かぶ病気は風邪だと思います。しかし、のどが痛くなる症状があらわれる病気は風邪だけではありません。そのほかにどのような病気が考えられるのか、この記事で解説します。

急性咽頭炎はどんな病気?

急性咽頭炎は、咽頭の粘膜やリンパ組織に生じる急性の炎症です。ウイルスの感染や細菌感染が主な原因ですが、鼻炎から発症することもあります。急性咽頭炎は、最初はウイルス感染によるものであっても、のちに細菌感染によって生じることもあることため注意が必要です。
一般に、急性咽頭炎は風邪の症状のひとつとしてあらわれます。初期症状では、のどの突き当たり(咽頭後壁)が赤くなり、ヒリヒリしたり違和感を感じたりするようになります。その後、のどの不快感・痛み・発赤・嚥下痛(飲み込む時の痛み)などのどの症状に加えて、37~39度程度の発熱や倦怠感といった症状を伴う場合もあります。
症状が進行すると、炎症を起こしている部分に顆粒状の発疹ができ、口蓋扁桃のすぐ内側が腫れたり、白い膿がつくようになったりします。咳や痰が出ることもあります。ただし、これらの症状が同時に出るわけではなく、一部の症状だけあらわれることもあります。

のどの痛みを引き起こす可能性がある性病とは?

のどの痛みを引き起こす可能性がある病気は、風邪や急性咽頭炎だけではありません。咽頭クラミジアや咽頭淋病といった病気でも、のどの痛みが出ることがあります。
咽頭クラミジアは、オーラルセックスで感染する性病のひとつです。のどの腫れや痛み、発熱といった症状があらわれます。一方、咽頭淋病はディープキスやオーラルセックスにより感染する性病のひとつです。咽頭淋病の場合も、のどの腫れや痛み、発赤、軽微な発熱といった症状があらわれます。
咽頭クラミジアや咽頭淋病による咽頭炎の場合、症状は非常に似ているものの、咽頭痛や発熱などの自覚症状が生じることはまれであるため、見過ごされてしまうこともしばしばです。のどの痛みが風邪や急性咽頭炎と非常に似ているため、医療従事者であっても区別することが難しいです。のどの痛みが風邪や急性咽頭炎によるものか、咽頭クラミジアや咽頭淋菌によるものかは、患者さんが性行為を行ったことがあることを自己申告するしかないため、区別することは非常に難しいのです。

「咽頭クラミジア」と「咽頭淋病」の感染経路と治療法について

咽頭クラミジアと咽頭淋病の主な感染経路はオーラルセックスです。淋菌やクラミジアに感染している人の尿道分泌物や膣分泌物、唾液が咽頭粘膜に付着することで感染します。クラミジアと淋病に感染しているか否かは検査でわかります。綿棒を用いて咽頭を拭い、粘液細胞や粘膜付着物を採取します。このほか、うがいで採取された粘膜細胞や粘膜付着物をで遺伝子検査等を行うこともあります。
咽頭クラミジアの治療方法は、抗生物質の飲み薬(ジスロマックSR®︎、グレースビット®︎、オゼックス®︎、クラビット®︎等)を服用したり、点滴投与をすることが一般的です。一方、咽頭淋病の治療では、淋病に効果がある成分が含まれた抗菌剤(抗生物質)を静脈注射によって投与することが一般的です。咽頭クラミジアや咽頭淋病のような咽頭感染の場合、性器感染と比較して治療に時間がかかるため、完治したことが確認できるまで医師の指示に従うことが大切です。

おわりに:のどの痛みは風邪だけが原因ではない。心配なら病院で検査を

のどの痛みは、風邪がきっかけで発症する急性咽頭炎であることも多いですが、場合によっては咽頭クラミジアや咽頭淋病による痛みであることもあります。どの病気が原因の痛みかは、検査をしなければわかりません。思い当たるふしがあれば、病院で検査を受けることをおすすめします。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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