代表的な漢方薬「甘草」の副作用 : 偽アルドステロン症とは?

2018/1/31

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

甘草は、咽頭痛や咳、胃痛など幅広い効能が期待できる漢方薬です。使用頻度が高い身近な漢方薬ですが、偽アルドステロン症などの副作用を発症してしまうことがあります。この記事では、甘草の副作用について解説しています。

漢方薬にも副作用はある

漢方薬に対する一般的な認識では、「自然のもので、効き目が穏やかだから副作用はない」と思われる傾向があります。しかし、漢方薬も薬である以上、副作用が存在します。副作用は正しく服用していたとしても起こる可能性があり、アレルギーに関わる症状から漢方薬への依存など、いくつも副作用があります。
ただ、副作用の現れ方は、処方内容や体質によって異なり、個人差が大きいです。

「甘草」の副作用:偽アルドステロン症とは?

甘草は、40~70cmの高さまで伸びる多年草です。1~2m程の大きな根茎を持ち、四方に向かって地下茎を伸ばします。毎年初夏(6月~7月)頃に花開き、7月~8月頃に実がなります。
生薬として使用されるのは、マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥させたものです。主に咳や喉の痛み、胃痙攣、胃潰瘍、胃痛、十二指腸潰瘍、疼痛などの症状に処方される漢方薬です。

甘草の服用による副作用に「偽アルドステロン症」があります。アルドステロンは副腎から分泌されるホルモンであり、体内に塩分や水を溜め込み、カリウムの排出を促すことで血圧を上昇させる働きを持っています。
偽アルドステロン症とは、アルドステロンが血中で増えていないのにも関わらず、高血圧やむくみ、カリウム喪失といった症状が現れるものです。症状が進行すれば、意識の喪失、身体動作による息苦しさ、血尿、糖尿病の悪化などが起こることもあります。

早期発見のポイント

患者本人もしくは家族が、早期に副作用に気づくことが早期治療と早期治癒につながります。手足のだるさやしびれ、つっぱり感、こわばり、脱力感、こむら返り、筋肉痛が現れた際には、甘草による副作用を疑い、使用を一旦中止して医師や薬剤師に相談しましょう。数週間から数年の服用期間を経て症状が現れたり、複数の医薬品の服用が原因で副作用が起こることがあるので注意が必要です。
薬剤師や医師に相談するときには、服用した期間や量、同時期に服用した他の医薬品についてを忘れずに伝えるようにしましょう。

おわりに:漢方薬だから「すべて安心」なわけじゃない。疑わしい体調変化に注意

漢方薬の甘草による副作用について紹介しました。「漢方薬は効果が緩やかだから副作用がない」いう思い込みは、副作用の発見の遅れにつながります。服用する薬の副作用は全て把握するように努め、疑わしい症状が現れた際には、すぐに薬剤師や医師に相談しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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