記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/7/24 記事改定日: 2020/3/24
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
避妊方法にはいくつかの種類があります。その中には、女性が主体でできる避妊方法があるのです。この記事で避妊方法にはいくつかの種類があります。その中には、女性が主体でできる避妊方法があるのです。この記事では、IUDとIUSのメリットとデメリットについて解説しています。
避妊リングの種類にはIUDとIUSがあります。
IUD(Intrauterine device:子宮内避妊用具)とは、リングやループの形状をした避妊器具を子宮の中に装着させる避妊方法です。装着すると生理の量が多くなる傾向があります。
IUDには、通常のIUD、銅付加IUD、薬剤付加IUDなど、いくつか種類があり、銅付加IUDは精子の運動を抑えて精子と卵子の受精を妨げる働きがあるため、より高い避妊効果を発揮すると考えられています。
IUS( intrauterine system:ミレーナ®)とは、黄体ホルモンを子宮の中で継続的に放出する避妊リングです。黄体ホルモンは子宮内で働き、子宮内膜の増加を抑えて内膜が薄くすることで着床しにくくしています。
OC(低用量経口避妊薬)による避妊効果と、IUD(子宮内避妊用具)での長期避妊という2つの作用で避妊効果が得られ、IUSはIUDに比べて生理の量が少なくなる傾向があります。
IUDとIUSのメリットとデメリットは以下の通りです。
IUDのメリットは、一度装着すると長期間(約2~5年間)避妊を継続できることです。効果は授乳中でも発揮します。また、男性に頼らず、女性主体で避妊を行えることもメリットといえるでしょう。
デメリットは、装着や除去の際に医師の力が必要になることです。また、妊娠や出産経験のない女性は、医師と相談の必要があります。
また、副作用として月経異常、過多月経、月経時期以外の出血、腹痛、疼痛、おりものなどが起こる可能性があります。その他、骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠、IUDの脱出や穿孔(子宮壁に入ってしまうこと)のリスクがあります。
IUSは、IUDと同様に女性主体の避妊、長期間に渡る避妊効果、避妊を考える必要がなくなる等のメリットがあり、生理の量が減るため生理痛の軽減効果が期待できます。また、全身へホルモンの影響が少ないこともメリットとして挙げられるでしょう。
デメリットは、装着や除去の際に医師の力が必要になることと、装着後間もない時期に生理以外の出血が続くことがあることです。
また、副作用として月経出血日数の長期化、月経サイクルの変化、IUS除去後の出血、腹痛などが起こる可能性があります。その他、発熱や下腹部痛、おりものの異常、急な出血、疼痛、性交痛、腹部膨満感、IUDの脱出や穿孔などが生じる可能性もあります。
避妊リングの挿入にかかる費用は、原則的には保険適応とはならず自費で行われます。
医療機関によって費用に差はありますが、一回の挿入で3~5万円程度の負担となり、その後の定期的な検査や抜去、入れ替えにかかる費用も自己負担となります。
IUS(ミレーナ®)は子宮内膜の増殖を抑えるため、月経困難症や月経過多などの症状を和らげる効果があります。このため、月経困難症や月経過多の治療のための使用では保険適応になる場合があります。
一度装着すれば数年間効果を持続できて得られる、大きなメリットを持ったIUDとIUSですが、デメリットや副作用がないわけではありません。ささいなことであっても、何か異変に気づいたときは、すぐに医師に相談してください。