記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/2 記事改定日: 2018/6/12
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脳卒中は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管に異常が起こる病気の総称です。
この記事では脳卒中の前兆について解説しています。最近は若い世代の発症者が増えているといわれているので、手遅れにならないように適切な対処ができるようにしましょう。
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりする病気の総称です。
脳卒中には、脳の血管が破れる「脳出血」、脳動脈瘤が破裂する「くも膜下出血」、そして脳の血管が詰まる「脳梗塞」の3種類があります。脳出血と脳梗塞は、脳の動脈硬化が原因で起こります。一方、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤は、高血圧や喫煙、遺伝などが関係していると考えられていますが、発生する理由についてははっきりとわかっていません。
脳卒中になると、手足のしびれや言葉のもつれ、意識がもうろうとするなどの症状が見られます。放っておくと命に関わることも多く、後遺症が残る可能性も高いため、異変を感じたら早急に受診しましょう。
脳卒中には発症の前触れとなる前兆症状が現れることがあります。前兆症状が現れている段階で病院を受診し、適切な治療を受けることで発症を高い確率で防ぐことができるといわれています。
次のような症状があるときには注意が必要です。
このような症状は脳卒中の前兆症状である可能性がありますので、看過せずに病院を受診するようにしましょう。
このような前兆症状は数分で改善し、何事もなかったかのように元の健常な状態に戻ることが多々あります。
これは、一過性脳虚血発作と呼ばれるもので、脳の血管の一部が一時的に詰まるものの、すぐに再開通して症状がなくなるためです。数分の一時的な症状のため、後遺症を遺すこともなく、多くの人は「気のせい」などと感じるようです。
しかし、このような症状が現れては消えて、とうい発作は脳の血管が詰まりかけている証拠でもあります。このため、何度も発作を繰り返したり、完全に血管が詰まって元に戻らなくなることもあります。
前兆症状が消えたからといって安心せず、上記のような症状があった場合には必ず病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。
上記のような前兆症状が現れたときは速やかに病院を受診すべきですが、日中1人でいるときは車の運転や長距離の歩行などは、非常に危険ですので救急車を要請しましょう。
特に前兆症状が数分でも改善しない場合は必ず救急車を呼ぶべきといえるでしょう。
前兆症状が続いている状態で、一人で病院へ向かうことは、脳梗塞へ進行した場合に事故やケガの原因となりますので、なるべく動かずに速やかに病院へ向かうことができる救急車での移動が推奨されます。
また、なるべく早期から治療を開始することは脳へのダメージを軽減し、後遺症を残すリスクが減少しますので、前兆症状や発症初期の段階で病院を受診するように心がけてください。
脳卒中は中高年以上に多い病気です。しかし、最近では30~40代の若い世代でも脳卒中になる人が増えてきました。
若い世代に多いといわれる脳卒中は、高血圧を原因とする脳出血です。これは、健康診断などで高血圧を指摘されていたにも関わらず放置したために発症した例が多く見られます。高血圧を指摘された場合には早期に治療を開始することが重要です。これは血圧を下げるだけで脳卒中になる確率を下げることにもつながります。
また、若い世代の脳卒中には、脳動脈乖離が原因によるものもあります。脳動脈乖離とは、脳動脈の壁が裂けて破れた状態のことです。脳動脈乖離も高血圧の人に多く見られますので、日ごろから血圧を測定するなどし、健康管理に努めましょう。
脳卒中は、中高年以上に多いと思われがちです。しかし、30~40代の若い世代にも発症する可能性があります。脳卒中には高血圧が関係していることが多いので、普段から血圧を測るなどの健康管理に努めるだけでも、脳卒中になる可能性を下げることができるでしょう。
そして、脳卒中になった場合は早期発見と早期治療が大切です。今回紹介した脳梗塞の前兆症状が見られたり、何か異変を感じた時には、すぐに受診して早期治療につなげましょう。